キャッシュフロー経営とは?すべての経営者が知っておくべき経営手法

資金繰りで悩んでいませんか?

経営者のほとんどの方は「利益が出ているになぜか手元に現金が残らない」「返済に追われて投資まで手が回らない」そんな焦りや不安を持っていらしゃいます。

そんな経営者の方に必ずおすすめするのが、「キャッシュフロー経営」です。
キャッシュフロー経営は、資金の流れを見える化し、利益のうちどのくらいの現金が手元に残っているかをしっかり把握するための経営手法です。

特別な経営手法ではなく、「資金繰り計算」という商売のキホンにすぎませんが、だからこそ小さなお店から大企業まで、全ての企業が取り入れるべき経営手法です。

この記事を読めば、なぜキャッシュフロー経営が大事なのか、キャッシュフロー経営を取り入れるにはどうすればいいのかが具体的に分かります。

つぶれない強い会社に成長するために、安全に会社を発展させていきましょう!


1.キャッシュフロー経営とは、資金の流れを把握する「脱どんぶり勘定」のための経営手法

キャッシュフロー経営とは利益を増やすことはもちろん、増やした利益が手元に現金(キャッシュ)として残っているかを重視する経営です。

なぜ現金を把握することを重視するかというと、帳簿上の利益と、実際に手元にある現金がズレることがあるからです。

例えば、1億の物品が売れたとします。
物を相手に渡し請求書を渡した時点で、1億の収益が計上されますが、実際に利益がお金として手元に入るのは、通常、入金のあるのは請求書が発行された翌月、またそれ以降以降になってしまいますよね。

どれだけ利益が出ていても、手元に現金がない状態が続けば運転資金が尽きて、いずれ黒字倒産してしまうでしょう。

経営状況は正しく掴むには、増やした利益が手元に現金(キャッシュ)として残っているかを正確に把握することが重要なのです。

 そもそもキャッシュフローとは?

 キャッシュフローとは、お金(キャッシュ)の流れ(フロー)のことです。

会社にお金が入ることをキャッシュインといい、お金が出ることをキャッシュアウトといいます。
キャッシュフローはそれらをまとめたもので、以下のように表せます

キャッシュフロー = キャッシュイン ー キャッシュアウト
         ( 現金での収入 ) ( 現金の支出 )

キャッシュフローを算出することで、今手元にあるお金が増えているのか、減っているのかが分かるのです。

キャッシュフロー経営とは、このキャッシュインとキャッシュアウトを以下の3つに分類し、どこでキャッシュを獲得しているかを数値に落とし込む経営手法です。

①営業活動に基づくキャッシュフロー
②投資活動に基づくキャッシュフロー
③財務活動に基づくキャッシュフロー

このように分類することで、自社ではどこでキャッシュを生み出しているかの把握が可能となり、キャッシュフロー改善のためにはどこに手を打てばよいかが明確になります。


2. キャッシュフロー経営の3つの目的

キャッシュフロー経営をには、3つの目的があります。

①黒字倒産を防ぐ
②信用を高め、融資を受けやすくする
③フリーキャッシュフローを投資に回して会社を成長させる

この目的を達成するために「実際に会社の手元にある資金を正確に把握する」ことを重視しているのです!

ひとつずつ解説します。

2-1 黒字倒産を防ぐ

キャッシュフロー経営を行う1番の目的は、黒字倒産を防ぐことにあります。

黒字倒産とは、売上が出ていて帳簿上は利益が出ているのにもかかわらず、支払に必要な資金が不足し、倒産してしまうことです。

実際、2022年の「黒字」休廃業の割合は過去最低の54.3%で、赤字倒産以上に黒字倒産の方が多いことが分かります。
また今後、新型コロナの時に受けていた借入金の返済が始まり、過剰債務を抱えた企業の黒字倒産が増加することが懸念されています。

キャッシュフロー経営を行えば、手元の資金を正確に把握し、資金が不足してしまう前に対策することができます。

2-2 信用を高め、融資を受ける

金融機関が融資をする際に必ず確認しているのが、会社のキャッシュフローの状態です。

中小企業の経営者さんの中には、融資は業績が悪化した時に受ければいいとお考えの方もいらっしゃいます。
しかし悪化した業績とキャッシュフローの状態の中、融資を受けるのも、返済を行うのも簡単なことではありません。

また中小企業は景気や大手企業の経営方針の影響も受けやすく、例えば突然再来月から発注が止まるなどといった不測の事態が起こります。

そのため健全なキャッシュフローをもとに信用を築くこと、そしてキャッシュフローが健全なうちに融資を得て、未来への投資を行うことは、生き残るための戦略としてぜひ行って頂きたいのです。

そのためには、キャッシュフローを把握し適切な投資と資金調達が必要です。

2-3 フリーキャッシュフローを投資に回して、会社を成長させる。

「フリーキャッシュフロー」とは、簡単にいうと、会社が使い道を自由に決められるキャッシュ(現金)のことで

具体的には、営業キャッシュフロー(本業による売上代金やコスト)と投資キャッシュフロー(資産の取得や売却)を合わせて、残った現金のことです。

キャッシュフローを把握し、キャッシュフローを日々改善することで、大きな設備投資や新規事業の立ち上げの際に、資金調達が容易なうえ、会社を危険にさらさずに投資できます。

キャッシュフロー経営の目的は、キャッシュを増やすことだけではありません。
会社を成長させるために時には、攻めの投資を行いマイナスを出すことも必要なのです。


3. 攻めのキャッシュフロー経営で成長したAmazonの驚きの戦略

Amazonは徹底的に直近の利益よりも長期の成長を重視し、キャッシュフローを尊重した戦略で、急激に成長した企業です

実際創業から7年間は赤字、19年間も利益は0でした。
これは儲けが無かったわけではなく、一貫して成長のために攻めの投資を行ったためです。

ではこの投資のお金をどのように入手したのか?

それは「お金をまわしつつ、手元のお金を残すこと」
つまり買掛金の支払いはできるだけ遅く、お金をもらう(売掛金の回収)はできるだけ早く」というキャッシュフローの鉄則を徹底したためです。

その結果、Amazonは強力な購買力を盾に「仕入れ代金の支払は113日後、商品代金は即日回収する」方法により、手に入れた大きなフリーキャッシュフローを全て、開発や新規事業、人材、M&Aなどに多額の投資を続け、世界的な企業へと成長を遂げたのです。

特殊で極端な例ではありますが、売上や仕入れの額は変らないのに、売掛金・買掛金の掛の期間の長短により営業キャッシュフローが大きく異なることは理解していただけると思います。

このようにキャッシュフローを使いこなせれば、会社を倒産から守るだけでなく、積極的な攻めの投資が実現できます。


4. キャッシュフロー経営は全ての企業が取り入れるべき

これまで述べてきたように会社の「体力」は、「お金(資金)」 です。 
会社の経営を継続していくには、資金が円滑にまわりつづけなければなりません。

小さな個人事業主から大企業まで倒産しないために、会社を成長させるために、感覚で経営をするのではなく、キャッシュフロー経営を行うことをおすすめします。


5. キャッシュフロー経営を行おう!

キャッシュフロー計算書も資金繰り表も、どちらも実際の資金の動きを追うものですが、

キャッシュフロー計算書は過去お金がどのような原因で増減をしたのかをまとめたもです。
一方、資金繰り表は未来のお金の収支をまとめたものです。

5-1 キャッシュフロー計算書を作成して過去の現金の流れを把握しよう。

キャッシュフロー計算書を見ると、事業年度を通じた資金の増減の状況、またその原因が分かります。


そしてキャッシュフロー計算書を分析することで、今は資金を調達すべき時期なのか、投資をすべきなのかなど大まかな方向性を分析することができます!

▽詳しいキャッシュフロー計算書の分析方法や作成方法に関しては以下の記事をご覧ください。
キャッシュフロー計算書とは?会社のキャッシュの流れを読み解く方法

5-2 資金繰り表を作成して、未来の資金の流れを予測しよう

キャッシュフロー計算書で過去のお金の動きを把握し大まかな方向性を立てたら、次に資金繰り表を作成して来月どんなお金の動きになるのもっと細かい見通しをたててみましょう

この図では月ごとですが、日別にすればもっと細かく売上と入金のズレを認識でき、どこでお金が足りなくなるのか、その資金をいつ調達しておかなきゃいけないのかが分かるようになります。

上記に加え日繰りなど様々な資金繰り表はこちらからダウンロードできます。

▽資金繰り表の詳しい作成方法に関してはこちらの記事をご覧ください。
資金繰り表とは?資金繰り改善のために知るべき資金繰り表の作り方

実際によくある資金ショートのケースは以下の2つです。

①売掛金が増加し、現金がショートするケース(=売上がたっているのに、現金がない)
②在庫が増加し、現金がショートするケース(=お金が出ているのに、売上が上がらない)

いずれ損益計算書上では黒字になっている可能性があるため、キャッシュフローの把握が要です。

いずれ損益計算書上では黒字になっている可能性があるため、キャッシュフローの把握が要です。
特に景気回復局面では売上が伸びるため売掛金残高も増加します。その結果、売上は伸びているのにキャッシュフローが悪化し、現金がショートするケースも増えます。

確実に資金ショートの可能性を発見し、資金に余裕のあるうちに対策をしましょう。


さいごに

経営状況が悪い会社とスタートアップ企業もキャッシュフロー的には同じです。

手持ちの資金がなくなる前に、ビジネスモデルを確立させて、営業活動におけるキャッシュフローをなんとかプラスに転じなくてはいけません。

そのプレッシャーは壮絶だと思います。

それゆえに利益の追求に走りがちになってしまいますが、余裕の無いときの資金繰りは綱渡り状態であり、ちょっとした見落としで黒字倒産になりかねません。

みなさんはしっかり資金繰りの管理ができていますでしょうか?

キャッシュフロー経営は「資金繰り計算」という商売のキホンにすぎません。
だからこそ当たり前の感覚として、経営に取り入れてください。

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