月次決算とは?年次決算との違いや月次決算をおすすめする4つの理由

年1回の決算は会社の業績を明らかにできますが、何かと大変な作業になります。

この決算作業を毎月行うのが、月次決算(げつじけっさん)です

もちろん、完全に年1回の決算をなぞるわけではありません。簡略版くらいのイメージが近いと思います。

簡略版でも相応の手間がかかることには違いありませんが、月次決算を行う事は円滑な融資や経営管理、節税など幅広く活用できるので、十分その手間に見合うはずです。

この記事で月次決算について理解を深めていただき、良い会社づくりの手助けになれば幸いです。


1.月次決算とは、決算業務を毎月行うこと

月次決算とは、決算業務を毎月行うことです。
会社の今の経営状態を月ごとに明らかにして、円滑な融資や経営管理、節税などに役立てます。

1-1 月次決算とは何か?決算(年次決算)との比較で明らかにする

月次決算がどのようなものか知るには、決算(年次決算)と比べて見るのが早道です。

 

月次決算

決算(年次決算)

頻度

毎月

1

必要性

任意

法的に義務付け

形式

決まりが無い

決まりがある

税務申告

しない

する

・頻度は一番わかりやすいと思います。「月次」というだけあって、毎月行うのが月次決算です。一方、決算(年次決算)は年1回、正確に言えば1事業年度に1回です。

・年次決算は法律で決められた会社の義務なのに対して、月次決算は任意です。月次決算は法的に決められているわけではないので、やらなくても構わないのです。

・年次決算は法律で決められているだけあって、形式にも決まりがあります。一方、月次決算には決まりが無いので工夫の余地が大きく、例えば経営の参考に目的を絞った、わかりやすさ重視の形式も可能です。

・大きな違いと言えるのが税の申告でしょう。月次決算の度に税の申告をするようなことは、まずありません。一定以上の大きな法人ともなると、中間申告・中間納付というものもありますが、基本的には税務署から送られてくる納付書に従えば済むので、税の申告は年1回と考えて差し支えないのです。

なお、前提として 決算とは? という方は、まずこちらの記事を先にお読みいただきたいと思います。

決算とは会社に関わるすべての人のために、業績を明らかにすること

1-2 月次決算書と試算表の違い

月次決算について知る上で外せないのが、「試算表」です。

弊社の考えとしては「試算表をさらに深化させたものが月次決算書」、つまり「試算表」で大枠をつかみ、さらに深い分析を行いたい場合には「月次決算書」を作るという所です。

ただし、広く情報を見渡してみると、試算表と月次決算書を同じものとする所もありますし、「月次試算表」「月別試算表」「月次の資料」という、似たような言葉で説明する所もあります。言葉の行き違いには注意しましょう。

では試算表とは何か?というと、帳簿に間違いがないかを確かめるために作成される一覧表のことです。決算書を作るために試算するから「試算表」というわけですが、決算書と基本的な内容が共通しているため、会社の今の経営状況を把握するためにも役立ちます。また、銀行融資の審査の際に提出を求められることもあり、経営者であれば把握しておくべき書類です。

なお、試算表の詳細については、こちらの記事をご覧ください。

試算表とは?基礎知識から見るべきポイント・作り方・注意点まで解説


2.月次決算、4つの効果

月次決算は義務ではないので、どうしても一般的になじみが薄いかもしれませんが、毎月手間をかけるだけの効果があります。

2-1 月次決算で金融機関からの信用を高める

金融機関の立場として、融資のリスクをできるだけ抑えるために、審査に際して月次決算書に相当する書類を求めることがあります。

つまり、本来は義務ではない月次決算が、金融機関から求められる事で必然性が生まれるわけです。

さらに融資を受けた後も、月次決算で経営状態を適宜明らかにする、そもそも月次決算を行うほどに経営者の意識が高いということは、金融機関にとっては信用を高める材料になるわけです。

とはいえ、月次決算には決まった形が無いからといって雑にしてはいけません。
その点においては、外部の専門家の目を通したもの、例えば税理士が関与した月次決算であれば、客観的かつ正確さが高まると言えましょう。

他にも、銀行との関係については、弊社の経験が詰まった記事がありますので、参考にしてください。

銀行融資の成功確率をグッと高める銀行交渉術と付き合い方のコツ

元銀行員に聞いた!融資審査に通るために把握しておきたい決算書のポイント3つ

2-2 月次決算で経営状態を細かく知る

考えてみれば、金融機関がその会社の経営状態を適宜知るために月次決算を利用できるということは、経営者自らにとっても月次決算を利用すれば、自社の経営状態を適宜知ることができるわけです。
月次決算を行うと、経営状態がリアルタイムとは言わないまでも、頻繁に把握することができます。

1回の決算で会社の経営状態を把握して、それを次の1年に活かしていくよりも、
1回の決算で会社の経営状態を把握して、それを次の1ヶ月に活かすサイクルの方が経営のスピードアップ、会社の成長を加速させることにつながるわけです。

そして、経営状態を頻繁に把握できるということは、売上不振や経費増大など問題点があれば、早く気が付き対応することも可能になります。

2-3 月次決算で節税対策する

月次決算を行う事で、最終的な利益予測とその納税額を予測しやすくなるので、節税対策にも活用できます。

例えば、1事業年度の終盤ともなると、最終的な利益がどのくらいになるのか見えてくるものでしょう。ここで納税額を概算して、節税対策と納税資金準備にとりかかることができるわけです。本来の年1度の年次決算で税の申告書を作成し納税する流れでは、このような対策は難しいでしょう。

節税と言っても、必要性の薄い物を購入して経費を増やす類の安易な節税はおすすめしません。月次決算での事前予測によって、真に合理的な節税対策が可能になるのです。

そのような節税対策の記事もありますので、ぜひ参考にしてください。

法人の節税対策19選!最適な対策が選べるようケース別に徹底解説

2-4 月次決算で年次決算の手間を軽くする

ある意味、月次決算の副産物と言えるかもしれませんが、月次決算を行う事で年次決算の手間を軽くすることも可能です。

何しろ毎月決算作業を行い、その都度見直しを行うわけですから、決算作業を分散させるのと同じ事です。年度末にそれをまとめるだけで基本的な作業が済むのです。
年度末に一気にまとめて行うと、それだけ慌ただしさも増すわけで、ミスも重なりやすくなる可能性もあるでしょう。


3.中小企業向け、少ない手間で月次決算を行う方法

前記のように、月次決算は義務ではないので、作るにあたり自由度が高いものです。
社内で経営の参考にするものと割り切るならば、ある程度ざっくりした作りでも構わないという考え方もあります。

とはいえ、
・融資絡みで、金融機関向けに月次決算を明らかにする
・経営判断に月次決算を活用する
ともなると、本来の決算に劣らぬ精度が月次決算にも求められるでしょう。そのあたりの手段をご紹介します。

3-1 会計ソフトの機能を利用する

近年では、利便性が大幅に向上した会計ソフトが普及していますので、この機能を使えば月次決算の作成も可能です。

詳細は、ご利用のソフトの説明を参照してください。

とはいえ、数字を読み解くプロである銀行の人に見てもらう分には問題ないかもしれませんが、シンプルに数字が並んでいるだけでは、経営者自身が経営に活用する点で使いにくいかもしれません。

3-2 税理士に依頼する

・月次決算のメリットはよくわかる
・月次決算を活用して経営を良くしたい気持ちもある
・さりとて自力でやるのは難しい
・月次決算を出来たとしても、数字が苦手なので活用できる自信が無い

…という向きには、税理士に依頼するという方法もあります。

税理士も、申告納税のサポートで終わりということはありません。ただでさえ手間のかかる月次決算を行い、経営課題を明らかにするところまで税理士にお任せいただくことも可能です。そうして、経営者さんには会社を前へ進めていくことに専念していただくのです。

弊社の「ビジョン式月次決算書」は、単に数字が並んでいるだけのものではありません。
図やグラフも活用して、数字が苦手な経営者さんでも経営状態を把握できるよう工夫されています。

さらに、単なる月ごとにまとめただけの月次決算ではありません。
結果を受けて次にどうすればよいのか、未来への指針になり得る所までお伝えするのが、ビジョン式月次決算書です。

そして、やがては経営者ご自身も数字への苦手意識が薄れる所までの成長をめざしましょう。

無料お試し体験サービスも行っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

(画像はイメージです)




 


さいごに

以上、月次決算について見てきました。

楽ではない決算作業に近い事を、毎月行う手間に見合うだけのメリットが、月次決算にはあります。
月次決算で経営状態が適宜明らかになること、月次決算を行うほどに経営者の意識が高いということは、金融機関の信用を高めることにつながります。

また、月次決算で経営状態を適宜明らかにすることは、経営者自らにも好影響をもたらします。
経営のスピードアップ、会社の成長を加速させることにつながるだけでなく、節税にも役立ちますし、年次決算の手間を軽くすることもできるわけです。

とはいえ月次決算を行い、明らかになったことを活用して、会社を前に進めるのは簡単ではありません。

そこで、税理士に任せるという選択肢が浮上します。
税理士に任せるだけでも手間の軽減になりますし、税理士が関与した月次決算であれば、客観的かつ正確さと言う点でも申し分ないでしょう。

さらに、ビジョン式の経営計画書と月次決算書による経営サポートに通ずるビジョン税理士法人では、幅広いサポートをお約束いたします。

月次決算で明らかになった課題を乗り越えて、よりよい会社づくりを進めましょう。

 

 

 

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