経営計画とは?会社の成長のために不可欠な理由と具体的な作り方

「経営計画ってどんなものなの?」
「経営計画って作った方がいいの?なんで作る必要があるの?」
「経営計画はどうやって作ればいいの?テンプレートはあるの?」

など、あなたは今、経営計画を作ることを検討していませんか?

経営計画とは、会社のビジョンや目標に基づき、経営戦略や具体的な行動計画を定めたものです。
端的に、会社の理想の姿と現在の姿を比べ、そのギャップを埋めるために立てる計画と言われることもあります。

経営計画に関しては、「特に提出が義務付けられているわけでもないし、作る必要がないのでは?」と考える人もいるかもしれません。

確かに経営計画は簡単に作れるものではなく、ある程度時間をかける必要があるため、作らない会社も多く存在していることでしょう。

しかし、経営計画を作ることは、「会社の課題が明らかになる」「売上アップにつながる」「従業員のモチベーションにつながる」といった大きなメリットがあります。

また、変化の速い昨今の時代背景からしても、行き当たりばったりの経営には限界があり、計画的で効率的な経営をしていかなければ生き残れないということは想像に難しくないはずです。

そのため、経営計画を作ることは、会社の継続と成長のために必要不可欠であると言えます。

そこで、本記事では、
・経営計画とは何か
・経営計画を作ることが会社の成長に不可欠な理由
・経営計画の種類を紹介
・経営計画を作る5つのメリット
・経営計画を作るための3つのポイント
・経営計画を作る13ステップ

について、解説していきます。

経営計画をはじめて作るという人でも、経営計画について理解を深め、テンプレートや作り方のステップ解説を通して、実際に経営計画に着手できるところまで導きます。

本記事を読むことで、経営計画について理解を深め、経営計画を作るかどうか判断し、良い経営計画を作れるようになるでしょう。

 

 


目次

1.経営計画とは会社のビジョンや目標、経営戦略や行動計画を定めたもの

上述した通り、経営計画とは会社のビジョンや目標に基づき、経営戦略や具体的な行動計画を定めたものです。
端的に、会社の理想の姿と現在の姿を比べ、そのギャップを埋めるために立てる計画と言われることもあります。

例えば、理想の姿が「売上10億円」で、現状はまだ半分の「売上5億円」だとしたら、あと5億円の売上を生み出すために「何をするべきか」「どう行動するべきか」といったことを明文化したものが経営計画です。

経営計画は長い目で見て会社経営をどうしていくかを形にしたもので、会社経営のロードマップになるものであり、かつ、従業員と共有することで意思統一を測ることもできます。

盛り込むべき具体的な項目としては、全ての行動基準となる「経営理念」、どれくらいの売上を上げるべきかを明らかにした「短期利益計画」、どうやって売上を上げるべきかをまとめた「販売計画」、会社経営で重視すべきことをまとめた「経営基本方針」などがあげられます。

 経営計画書には、特に決まったフォーマットはありませんが、下記のように作成されることが多いです。

経営計画に盛り込むべき項目や作り方のステップについて詳しくは「6.経営計画書の作り方13ステップ」で解説します。


2.経営計画を作ることは会社を継続させるために不可欠

経営計画を作ることは会社を継続させるためには不可欠なことです。

ただ、経営計画を作るのは簡単なことではないため、「時間がなくて作れない」「頭の中に計画があるから大丈夫」などと考え、これまで作ってこなかったという人もいるかもしれません。

経営計画を作らずに、場当たり的に目の前の問題を解決しながら、多くの成果をあげてきたという経営者もいることでしょう。

しかし、少子高齢化が急速に進んだり、新しいIT技術が生まれたりといった変化の速い時代に、場当たり的な経営で継続的に発展し続けることは難しいです。

今後、時代の変化はよりいっそう激しくなり、日々の忙しさに流されているだけでは、変化に振り回されて経営が行き詰まってしまう可能性が高いでしょう。

経営計画は船の羅針盤のようなものであり、羅針盤が船の行く先を見定めるように、変化の激しい時代の中でも会社が進むべき道筋を照らしてくれるものです。

個人の趣味でも仕事でも、目標を立てて計画的に行動した方が成果が上がるように、会社にとっても、成長し続けるためには目指すべき姿や目標を定めた経営計画が必要なのです。

「会社を長く存続させていきたい」「成長させていきたい」のであれば、経営計画を作って、具体的な目標設定や経営戦略に従って行動していくことが重要になります。


3.経営計画は3つの種類に分けられる

経営計画は、下記3つの種類に分けられます。

・長期経営計画
・中期経営計画
・短期経営計画

ひとつひとつ解説していきます。

3-1.長期経営計画

長期経営計画とは、一般的に5年から10年の経営計画のことを指します。

長い期間を見越して、会社のビジョンや目標、目標を達成するための戦略などを具体化していきます。

10年後、20年後、会社をどのようにしていきたいのか、そのために何をしていくべきなのかを考えることは、短期の計画を考える際の指標になるので非常に意義があることです。

 例えば、木を育てる仕事などは長い期間で考えなければならないですし、その他の仕事においても、長期計画を立てることでしか見えてこないこともあるでしょう。

しかし、変化の激しい昨今では5年から10年の計画は現実的ではないとも言えます。

「そんなに先のことを予測するのは難しい」「予測と違う事態が起こるのであまり意味がない」と考える人がいるのは当然のことでしょう。

そのため、長期経営計画は、具体的な目標設定や行動計画を立てるのではなく、ビジョンや将来像を描くだけになってしまうことが多いです。

3-2.中期経営計画

 中期経営計画とは、一般的に3年から5年の経営計画のことを指します。

 3年から5年先に会社をどのようにしていきたいのか、そのためには何をしていくべきなのかと言うことを、経営戦略や行動計画として定めたものです。

3年から5年の経営計画を立てることで、1年単位の計画では実現できない大きな成果を出すことが可能になります。

例えば、短期的には赤字になるけれど、長期的には黒字化が予測されるような新しい商品を作る際など、ある程度長いスパンで経営計画を立てなければならない場面は多いはずです。

前述した長期経営計画の10年先まではなかなか見通しを立てるのは難しく、また、これから紹介する1年程度を見越した短期経営計画では短すぎることから、「経営計画とは中期経営計画のこと」と捉える人も多いです。

3-3.短期経営計画

 一般的に1年間の経営計画で、中期経営計画を具体的な数値目標や行動計画に落とし込んだものです。

1年間における会社の部門ごとの行動目標や数値目標を設定して、達成度をチェックしていくような、かなり実践的な内容になっています。

1年よりさらに短い四半期や毎月の計画に落とし込み、こまめに進捗を管理していくこともあります。


4.経営計画を作る5つのメリット

これまで経営計画を立てずに事業を継続してきた人などは、「本当に作る必要があるの?」と作ることを避けたい気持ちがあるかもしれません。

しかし、実は、経営計画を作ることで、下記のような大きなメリットを得ることができるのです。

・経営計画を作ることで売上アップにつながる
・現在の課題を明らかにして改善できる
・長い目で目標や戦略を考えることで会社を成長させる
・従業員と会社の未来について共有することで組織がまとまる
・国や金融機関から支援を受けるときに有益な資料となる

 ひとつひとつ解説していきます。 

4-1.経営計画を作ることで売上アップにつながる

 経営計画を作ることで、売上をアップさせることが可能です。

実際に、中小企業庁が公開している「2016年版 小規模企業白書」には、経営計画を作ることが売上増加に効果があることを示唆するデータがあります。

出典:「2016年版 小規模企業白書」(中小企業庁)

上記によると、経営計画を「作成したことがある」事業者の方が「作成したことがない」事業者に比べて売上高が増加傾向にあることが分かります。

それもそのはずで、経営計画の中では、具体的な数値目標や行動計画を立てます。

例えば、売上を10億にしたいという目標があれば、そのためにはどれくらい従業員を増やせばいいのか、どれくらいの受注が必要で、何をすればいいのかと具体的に考え、行動に移していきます。

そのため、行き当たりばったりの経営をしているのと比べて、計画的に行動を繰り返すことができるため、成果が出やすくなるのは当然のことと言えるでしょう。

4-2.現在の課題を明らかにして改善できる

 経営計画を作ることで、現在の課題を明らかにして改善することができます。

会社が背負っている課題を解決するのは大切なことですが、日々の業務が忙しく目の前のことに対応し続けているうちに、深刻な問題をそのままにしてしまうことも多いでしょう。

また、改めて考えてみないと気づかない会社の課題もあるはずです。

 経営計画を作成することは、自社の強みや弱み、また、競合他社の現状今後の市場の伸びについてなど、会社や会社をとりまく環境を把握する機会につながります。

そのため、経営計画を作る中で自ずと会社の課題が浮き彫りになり、会社が深刻な状況になる前に課題を改善するための行動に移すことができるのです。

4-3.長い目で目標や戦略を考えることで会社を成長させられる

 経営計画を作ることで、長い目で経営目標や経営戦略を考えられ、会社を成長させることができます。

会社を存続させるためには、会社を成長させていくことが必須です。

 大きな利益を上げてきた会社でも、時代の流れに合わせて変わらなかったために倒産に追い込まれてしまった例は枚挙にいとまがありません。

 そのため、常に先のことを見据えながら、新しいビジネスチャンスをものにして会社を成長させていかなければ、会社を存続させるのは難しいでしょう。

 そこで、経営計画を立て、目の前に迫った業務にただ終われる日々から一旦抜け出し、未来のことをじっくり考える機会を持つ必要があります。

 経営計画を作る過程で長い目で目標や戦略を考え、然るべき時に新しい事業や新しい挑戦ができるように準備しておくのです。

 そうすることで、ビジネスチャンスを逃すことなく、常に会社を成長させ続けることができます。 

4-4.従業員と会社の未来について共有することで組織がまとまる

 経営計画を作ることで、会社の未来について従業員と共有することができ、組織がまとまるという効果も期待できます。

「経営計画は自分の頭の中にあるから作る必要はない」と考える経営者もいるかもしれませんが、頭の中にあるだけでは従業員とは共有できていません。

 会社が目指すべき指針が従業員の間で共有されていなければ、従業員それぞれが別の方向に向かい、組織がバラバラになってしまう可能性もあります。

しかし、経営計画を作れば、具体的な目標や行動計画を従業員と共有し、全員がひとつの目標に向かって一丸となって頑張ることができます。

 また、漠然とした目標ではなく、具体的な目標を示すことで、社員のモチベーションアップにも効果が期待できるでしょう。

4-5.国や金融機関から支援を受けるときに有益な資料となる

 経営計画を作っておけば、いざ国の支援を受けたいと考えた時に有益な資料となります

 経営計画が関わる国の支援として下記のようなものがあげられます。

経営力向上計画

中小企業・小規模事業者や中堅企業が、経営力向上のための人材育成や財務管理などの取り組みを記載した「経営力向上計画」を作って、申請を行うことで、税制面の優遇や各種金融支援を受けることができる。

経営革新計画

経営の相当程度の向上を図ることを目的に経営計画書を作成し、国や都道府県に認定されることで、政府系金融機関による低利融資制度や起業支援ファンドからの投資など様々な支援策の対象になる

 上記の通り、経営計画を作成して申請を行うことで、国からの様々な支援を受けることができます。

また、それだけでなく、民間の金融機関から融資を受ける際にも活用できます。民間の金融機関から融資を受ける際に、経営計画を提出することで、信頼度を上げることができるからです。

国や民間の金融機関から融資を受けることは、会社を存続させるためには大切なことです。そのため、経営計画を作り、いざという時のために準備しておくことをおすすめします。

 


5.経営計画を作るために押さえておくべき3つのポイント

経営計画を作るために押さえておくべき3つのポイントについて解説していきます。

経営計画を作る前に確認しておくことで、「時間がかかりすぎて挫折してしまった」や「分かりにくい記載になってしまった」のような失敗を防ぐことができます。

・テンプレートを活用する
・具体的な記載かどうかチェックする
・量より質を重視する

 ひとつひとつ解説していきます。

5-1.テンプレートを活用する

 経営計画を作る際には、テンプレートを活用したり、他社の経営計画を参考にしたりしましょう。

 最初から自力で経営計画を作ろうとすると、途中で挫折してしまったり、実行性の低い経営計画になってしまったりなど、失敗につながりやすいです。
何から書いていいか分からず、結局、作り始めるまでに至らないということもあるかもしれません。

そのため、まずはテンプレートを活用しながら、実際に作り始めることが何よりも大切です。

テンプレートや他社の経営計画を参考にしながら作っていく中で、自社にとって必要なもの不要なものを取捨選択できるようになります。
そして、修正を繰り返しながら、オリジナルの経営計画に仕上げていけば良いのです。

経営計画のテンプレートについては、6章「6.経営計画書の作り方13ステップ」で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

5-2.具体的な記載かどうかチェックする

 経営計画を作る際に大切なのは、具体的な記載になっているかチェックすることです。

抽象的な記載では、何をどう行動していいのか分かりにくいため、従業員と共有しても理解しにくかったり、行動につながりにくかったりしてしまいます。

例えば、会社の将来なりたい姿を明文化する「ビジョン」において、「顧客に寄り添う会社になる」よりも「地域のシェアNO.1になる」とした方が、具体的で目標に向かった行動が取りやすいというのは理解していただけるでしょう。

これらのことから、経営計画は、全ての項目において、誰が読んでも判断に迷わないよう具体的に書くことが大切です。 

5-3.量より質を重視する

 経営計画は量より質を重視することを意識しましょう。

というのも、会社によっては経営計画を100頁も作成するようなところもあるため、そのような会社を真似して経営計画を作ろうとすると、途中で挫折してしまう可能性が高くなるからです。

最初から全てを網羅して完璧に仕上げようとする必要はなく、A4用紙1枚のみで、最低限必要な項目のみを入れ込むだけでも、経営計画は作れます。

途中で挫折することを防ぐためにも、最初はなるべく少なく、量より質を重視した経営計画を作ることを意識してみてくださいね。


6.経営計画書の作り方13ステップ

経営計画を作るメリットや作成前に押さえておくべきポイントを理解してもらったところで、実際に、経営計画書を作るステップに進んでいきましょう。

経営計画書の内容は会社ごとに異なり、決まったフォーマットはありません。
ただ、良質な経営計画書に仕上げるために、弊社では下記13ステップに従って作成することを推奨しています

 【経営計画書の作り方13ステップ】

実際に弊社で活用しているだけでなく、お客様にも提供し、効果が実証されている方法なので、ぜひ参考にしてみてください。

 事例付きの詳しい解説は、弊社サイトの記事「高収益な良い会社を作るための経営計画書の作り方【テンプレート付き】」3章でまとめているので、ここではポイントのみ解説していきます。

STEP1:使命感・ミッション作成

 使命感とは「会社が社会・世の中で実現したいこと」を言語化したものです。
例えば、ビジョン税理士法人では、「100年経営とワクワクする良い会社創りを応援します」という使命感を掲げています。

使命感・ミッションは、会社の存在理由を定義し、今後の会社の行動指針にもなるものなので、時間をかけて考えてみましょう。

思いつかない場合には、他の会社の使命感やミッションを参考にしてみてくださいね。

STEP2:経営理念の作成

 経営理念とは、社長が持っている人生観、仕事感、価値観に基づいて会社の基本的な価値観・考え方を言語化したものです。

すぐに言語化するのは難しいですが、「①社員の幸福②お客様満足③社会貢献」の3つの視点を盛り込むと良い経営理念が作成できるでしょう。

従業員にも浸透させることで、理想の会社を作り上げていくことができます。

STEP3:経営計画書発表会にあたって

 経営計画書を従業員に浸透させるためには、「経営計画書発表会」を開くことが必須です。

 この「経営計画書発表会にあたって」では、社長の会社や従業員への思いを言語化します。

 社長がどういう思いで経営を行なっているのかを語ることで、従業員の会社へのコミットメントも変わってくる大切な箇所と言えるでしょう。

STEP4:短期利益計画

利益計画とは、社員を守り会社が生き残るにはどれだけの利益が必要で、必要な利益を稼ぐためにはどれだけの売上が必要であるかを明らかにする計画です。

 売上高、経費計算など必要な数字を積み上げていきます。

STEP5:販売計画

 利益計画で計算した粗利と売上を「どの商品で稼ぐのか?」「どのお客様に買っていただくのか?」を決めていくステップになります。

 利益計画で作成した目標数字を細分化してどのように達成するのか、社長自身が悩み考えるのが販売計画です。 

STEP6:中期事業計画

 中期事業計画では、社長が「5年後、会社をどのようにしたいのか」を中期事業計画の数字で表現します

中期事業計画は「5年先の会社の姿」における売上、利益額、社員数などを目標数値で決めます。

そして、5年後の会社の将来のために、今現在において何をすべきか、何をしなければならないかを、中期事業計画の作成過程で社長自身が考えるきっかけ作りとなります。

STEP7:経営基本方針

 経営基本方針は、何を重視して会社経営をするかを社員に伝えるために書きます

経営基本方針では、最初に「お客様第一主義」を書くことをおすすめしています。

会社は、お客様がいなければ、会社は存続できないという考え方が全てのスタートです。

STEP8:社員の未来像/ビジョン

 社員の未来像とは、将来社員の給与をどのようにするかを決めることからはじめます。

「社員が持ち家を持てるような給与を実現する」「家族旅行に年三回行けるような給与額を目標とする」など、具体的な目標を掲げます。

また、社員の将来進む路を定義化して社員に見せる事で、社員は自分の未来像を描くことができます
自分の良い未来像を描くことは、モチベーションアップにつながることでしょう。

さらに、「2025年までに、年商10億円・経常利益1億円・社員数100人、お客様数1000社の会社になる」といった、事業規模の未来を同時に掲げ、こちらも目標に向かうモチベーションとします。

STEP9:長期事業構想

 長期事業構想は、世の中の変化を見据えながら、10年〜20年先の我が社はどのように生き残るのか、何をしなければならないのかを考えるステップです。

10年先は、遥か先なので見えないから考える必要がないのではなく、未来が分からないからこそ、敢えて長期的な視点で会社の将来を考える必要があります。

STEP10:行動指針

 行動指針とは、会社が大切にしていることで、社員一人一人に大切にしてもらいたいことを明文化したもので、社員における行動の拠り所となる方針のことです。

STEP11:戦略

 商品やサービスにおける事業の方向性や、ターゲット層を考える箇所です。

 どのようにライバルと差別化した事業を展開するのか、また、どのような人をターゲットにするのか戦略を立てます。

STEP12:組織図

組織図は、会社の目的である、経営理念・使命感を達成させるために、各社員をどのように役割分担するのかを明示した組織の設計図です。

 組織図を作りながら、今後の組織をどのようにしていくのかを考えていきましょう。

STEP13:戦術「〇〇に関する方針」

 ここの内容は、会社の状況に応じて異なります。

 会社によっては「新規事業に関する方針」として、新商品やサービスについての方針をまとめたり、また、サービス業などでは「お客様に関する方針」として、従業員内で共通の意識を持つべき方針についてまとめたりします。

 会社にとって大切な方針を個別にまとめていくところと考えてください。

 以上、経営計画の作り方13ステップについて解説しました。

経営計画書の作り方13ステップについて事例つきで詳しく知りたい場合には、下記記事の3章をご参照ください。

高収益な良い会社を作るための経営計画書の作り方【テンプレート付き】

 また、ビジョン税理士法人では、「社員のモチベーションが上がり、3年で利益が10倍になったビジョン式経営計画書」を基に、経営計画書作成のサポートセミナーも行なっています。

詳しくは、こちらのページをあわせてご参照ください。

 【最初はテンプレートを利用して作ってみよう!】

前章でも解説した通り、経営計画書は、まずは、テンプレートを使って効率的に作ることをおすすめします。

実際にテンプレートに沿って作りはじめてみることで、自分たちの会社にとって組み込むべきことや、組み込む必要のないことが見えてきます。
1度完成させて、何度もブラッシュアップさせながら、会社にとって最適な経営計画に仕上げていきましょう!

経営計画のテンプレートは上記でも紹介した、高収益な良い会社を作るための経営計画書の作り方【テンプレート付き】の記事の「2-1 経営計画書のテンプレートのダウンロード」でダウンロードできるので、ぜひご活用ください。


7.内部環境分析と外部環境分析を整理してみよう

前章で解説した通り、13ステップに従って経営計画書を作成していけば、誰でも良質な経営計画書を作り上げることができるでしょう。

ただ、売上をあげるための「戦略」や10年以上先の会社のことを考える「長期事業構想」など、「いきなり作成するのは難しい」といった項目もあります。

そのため、事前準備として、経営計画書作成の前に内部環境と外部環境の分析を行っておくことをおすすめします。

それぞれについて解説していきます。

7-1.内部環境の分析

 内部環境の分析とは会社の状況や経営資源を客観的に分析することを指します。

具体的には、従業員数や販売力、営業力やマーケティング力、価格競争力など会社に必要な項目について多角的に分析していきます。

内部環境の分析を行い、会社の強みや弱みを把握することは、会社として発展していくためにどのような戦略を立てるべきなのかを考えるベースとなります。

 【内部環境の分析を行う代表的な項目と例】

内部環境の分析を行う代表的な項目
製品やサービス、販売力、マーケティング力、経営能力、技術力、人材、財務力、資産、設備、生産体制、企業風土、立地、物流、価格競争力


・世界でもトップレベルの従業員数を誇る
・高い営業利益を叩き出せる
・若い世代への訴求力が低い

 

7-2.外部環境の分析

 外部環境の分析とは、自社を取り巻く状況を分析することを指します。

具体的には、法律の改正世の中の流行市場規模競合他社の状況を分析します。

 例えば、新たな商品を開発する場合には、市場規模がどれくらいか、販売は違法ではないか、また、需要はあるのかなどを分析しなければヒット商品は生まれないでしょう。

また、長期的な経営計画を立てる際にも、外部環境の分析、すなわち「これから世の中がどのようになっていくのか」といった予測や分析を無視することはできません。

このように、前項で解説した内部環境と外部環境の分析を行うことで、会社の戦略や長期事業構想についてのアイデアが見えてくるのです。

 

 

SWOT分析について】

内部環境と外部環境の分析を行う手法として、SWOT分析というものがあります。
SWOTとは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)のことで、これらを分析することによって、自社のビジネスを成功させるために必要な要因や課題を明らかにすることができます。

 【例】

 

ポジティブ

ネガティブ

内部環境

(強み)

・世界的知名度

・質が高く安価な商品

・従業員の英語力、アイデア力

・顧客からの信頼性

(弱み)

・デザイン性

・離職率の高さ

・ネット通販の弱さ

外部環境

(機会)

・所得の減少

・知名度を生かした別ジャンルへの進出

SNS利用の宣伝可能性

(脅威)

・少子高齢化、人口減少

・ネット通販での買い物増加

・若年層のデザイン重視

・人手不足

 


8.経営計画を実行する際に押さえておきたい注意点

経営計画を実行する際に注意すべき下記3点について解説していきます。
・改善を加えていくことが大切
・予材管理を意識しよう
・進捗管理を怠らない 

8-1.改善を加えていくことが大切

 経営計画を最初から完璧に作ることは難しいため、経営計画を実行しながらも、改善を加えていくことが大切です。

会社の内部環境や外部環境など、予想外の出来事が起きる場合も考えられるので、経営計画に無理が生じたらその都度、柔軟に修正をしていきましょう。

経営理念や目標がしっかり固まっていれば、多少の修正は大きな問題にはならないはずです。

8-2.予材管理を意識する

 経営計画を実行する際に、予材管理を意識してみましょう。

予材管理とは、目標の2倍の予材(営業の予定材料など)をあらかじめ仕込んでおくことで、最低でも目標達成させるというマネジメント手法です。

予材管理を行うことで、目標未達成のリスクを回避することができます。

8-3.進捗管理を怠らない

 経営計画を実行する際には、進捗管理を怠らないようにしましょう。

せっかく経営計画を立てても実行しなければ意味がありません。
定期的に経営計画の進捗を管理する機会を設けるようにしましょう。

できれば毎月、「月次目標が達成されたか」「行動計画どおりに進んでいるか」をチェックし、PDCAを回していくことが理想的です。


9.まとめ

 本記事では、

・経営計画とは何か
・経営計画を作ることが会社の成長に不可欠な理由
・経営計画の種類を紹介
・経営計画を作る5つのメリット
・経営計画を作るための3つのポイント
・経営計画を作る13ステップ

 について主に解説しました。

経営計画とは、会社のビジョンや目標に基づき、経営戦略や具体的な行動計画を定めたもので、経営計画を作ることは会社を継続させるためには不可欠なことです。

なぜなら、時代の変化はより激しくなり、日々の忙しさに流されているだけでは、変化についていけずに経営が行き詰まってしまう可能性が高いからです。

経営計画は、

・長期経営計画
・中期経営計画
・短期経営計画

3つの種類に分けることができ、3年から5年の経営計画である中期経営計画を経営計画として捉える人も多いです。

経営計画を作るメリットは、

・経営計画を作ることは売上アップにつながる
・現在の課題を明らかにして改善できる
・長い目で目標や戦略を考えることで会社を成長させる
・従業員と会社の未来について共有することで組織がまとまる
・国や金融機関から支援を受けるときに有益な資料となる

 5つです。

 経営計画を作ることには大きなメリットがありますが、最初は難しいので、テンプレートを使うと良いでしょう。
テンプレートは本文中に示したリンクからダウンロードできるようになっています。

 本記事を読むことで、経営計画について理解を深め、経営計画を作るかどうか判断し、良い経営計画を作ることができるようになれば幸いです。

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