建設業を専門にしている税理士の数はほとんどいません。
実際、ビジョン税理士事務所がある神奈川県では、「建設業に特化した税理士の数は全4661人の税理士のうち約30人」でした。(2023年3月現在)
ただ私達が全体のうち33%が建設業のお客様のように、専門でなくても建設業のお客様をとっている「建設業に強い税理士」がいます。
そこで150社以上対応したことのあるビジョン税理士法人だからこそ言える、「建設業に強い税理士」を見極めるポイントと探し方をご紹介します。
1.建設業に強い税理士選びの鉄則2条
「建設業に強い税理士」の鉄則は以下の2条です。
・実績
・行政書士や社労士との繋がり
この2つを抑えておけば、税理士選びで大きな失敗することはないでしょう。
1-1 建設業を担当した実績や知識が豊富である
当たり前のことですが建設業に強い税理士になるには、経験や知識を深めるために実績を積み重ねるしかありません。
建設業の会計は、他の業種より複雑です。
この会計を、顧客によって変わる様々な状況に対応できるまで精通するには、事務所全体で実績を重ね、様々なケースを蓄積することが必要です。
具体的には、今持っている顧客数は事務所全体で100社以上であることを目安にしてください。
もちろん実績がある=建設業に強い税理士とは言い切れませんが、実績が見極める重要なポイントです。
1-2 行政書士や社労士と繋がりがある
各専門家とつながっている税理士であれば、改めて専門家を探す手間を省けます。
さらに、税理士事務所を窓口にワンストップで相談できます。
他の業種の方もそうですが、建設業の方には特に、社労士や行政書士にいつでも相談できるようにして頂きたいのです。
2024に国土交通省によって、「建設業界の働き方改革」が本格化されるからです。
今までのやり方を大きく変えなければならないことに多くの経営者の方が頭を抱えています。
国土交通省|建設業働き方改革加速化プログラム
しかし経営者の方一人で、対応策を考え、規定を整備し、実際に導入するには限界があります。
そこで、社労士や行政書士とつながっている税理士に依頼することをお勧めします。
社労士は働く環境に関する専門家、行政書士は書類作成の専門家で、それぞれの専門分野に相当することも、対応をまるっと任せることもできます。
今すぐ、対応を考える余裕はないかもしれませんが、いずれ必ずしなくてはなりません。
改革の第一歩として、つながりを持っておくと良いでしょう。
2.現状の悩みと今後の行動方針に合った税理士に依頼しよう!
税理士によって、提供できるサービスやそれに応じた料金は異なります。
建設業に強い税理士の前提を満たしていても、望んだサービスがなければ、「別の税理士に頼めばよかった」と思うことになるかもしれません。
そこで、建設業の経営者の方からよくご相談される内容をもとに、どんなサービスを提供している税理士に依頼すれば良いのか、お悩み別でご紹介していきます。
お悩み | おすすめの税理士事務所 |
事業規模が小さめで税理士を顧問に付けるか迷っている | 記帳代行サービスのある税理士事務所 |
もっと大きな事業規模の工事を取りたい | 行政書士がいる税理士事務所 |
拡大意欲があり、税理士に現状分析からアドバイスまでしてほしい | 経営コンサルティングを得意としている税理士事務所 |
資金繰りが苦手なために、手元の資金が乏しい | 経営コンサルティングを得意としている税理士事務所 |
人材不足を解消したい | 社労士がいる税理士事務所 |
労働環境向上のため助成金について相談したい | 社労士がいる税理士事務所 |
※現状に合わせた条件で探してください。ひとつでも、すべてでも構いません。
行政書士や社労士は、事務所内にいる場合もあれば、外部に提携を取っている場合など事務所によって形態は様々ですが、形態は問いません
2-1事業規模が小さめで税理士を顧問に付けるか迷っている【記帳代行サービスのある税理士事務所】
税理士に顧問として依頼するのに迷っているのならば、まずは無理せず税理士が提供しているサービスを利用しみてはどうでしょうか?
記帳代行サービスは、価格を抑えて、税理士に経理業務のみを依頼できるサービスです。
1ヶ月間で発生した取引の資料(レシート、領収書、請求書、通帳コピー)を送るだけで、帳簿の作成を代行してくれます。
ただし決算や確定申告は、サービスに含まれません。
ちなみに、ビジョン税理士法人では、50仕訳5000円、100仕訳1万円といったように取引数に応じて承っています。
このサービスは、以下のような方におすすめです。
・自分で記帳をするつもりだったが、時間がとれない ・経理スタッフを雇う余裕はまだない ・経営者が経理業務をしていて決算や確定申告は自分で出来る ・年間の取引数が少ない |
※ 依頼先によりますが、400仕訳以上の取引数になると税理士の顧問料とあまり変わりません。
記帳代行サービスに加え、決算や確定申告そして税務や経営に関する相談まで料金に含れるので、顧問として依頼するのがおすすめです。
2-2もっと大きな事業規模の工事を取りたい【行政書士とつながっている税理士事務所】
以下のように建設業許可が必要になる場合は、行政書士とつながっている税理士事務所がおすすめです。
・500万円(税込)以上の工事を取りたい ・元請けの会社から発注の条件として許可を取得するように言われた。 ・事業が軌道に乗ってきて、請け負う工事の金額がそろそろ500万円を超えそう。 |
もちろん自分で取ることはできます。
しかしともかく手間と時間のかかる作業なので、経営者がするのはすすめられません。
たしかに行政書士に依頼する費用の相場は10〜20万円と決して安い費用ではありません。
しかし自分で申請することによって失われる時間と、そこで生み出される金額を思えば、高すぎることはないでしょう。
今後、もっと大きな工事を取っていきたい、そのために建設業許可を取る必要があるとお考えならば、行政書士と繋がりのある税理士を顧問先に選ぶと良いでしょう。
2-3 拡大意欲があり、税理士に現状分析からアドバイスまでしてほしい【経営コンサルを得意としている】
近年、他の税理士事務所との差別化のために、経営コンサルに軸を置いている事務所が増えています。
経営コンサルをするには、一般の税務知識に加え、それを利益に繋げる活用ができなくてはなりません。
それを可能としている税理士事務所は一般的な事務所よりも、顧客が成長するためのノウハウを蓄積しています。
そして、社長と同じくらい熱心に会社の成長を考え行動し、信頼して任せられる右腕のような存在になってくれるでしょう。
例えばビジョン税理士事務所では、「利益を確実に出すためにはどうすれいいのか」「倒産しない強い会社作りには何が必要か」そういった問題を独自の月次決算書と経営計画書をもって根本から解決し、長期的に継続する強い会社作りを可能にします。
「会社をもっと成長させたい」そう強く思っているならば、「経営コンサルティング」を得意とする税理士があなたにとって最も良い経営パートナーとなってくれるはずです。
2-4 資金繰りが苦手なために、手元の資金が乏しい【経営コンサルを得意としてる事務所】
・売上はあるのに、なぜか現金が手元に残らない ・銀行に資金繰り表の提出を求められた ・資金繰りを含めた経営計画をたてたいが、決算書の見方が分からず立てられない |
このような悩みは、「数か月先を含めた資金繰り表を作成し、今と未来のお金の流れを把握する」ことで、現状の問題点が分かり、適切な対処ができれば、必ず資金繰りが良くなり解決へ進みだすでしょう!
しかし将来予測を含めた資金繰り表を作るには、税理士の力が必要です。
事務業務代行することを主にしている税理士ではなく、前章で紹介したような経営コンサルを得意としている税理士に依頼するのが良いでしょう。
建設業の資金繰りを考えるのは、税理士でも簡単なことではありません。
先行出費が多く入金までが長くその上銀行融資の審査が通りにくいため、資金が手元に残りにくく調達が難しいからです。
しかし経営コンサルを得意としている税理士事務所ならば、積み重ねたノウハウやケース事例から資金繰りを良くするための方法、銀行融資が通りやすくなる資料の作成など、あらゆる知識があります。
建設業の資金繰りはとても難しい、だからこそ頼れる税理士に一度相談してみてください。
2-5 人材不足を解消したい【社労士がいる事務所】
人材不足を解消するには、働きやすい環境作りが重要ですが、この働きやすい環境作りの専門家が「社会保険労務士」いわゆる「社労士」です。
このように人材不足で悩まれている方には、社労士と繋がることをおすすめします。
・職人の高齢化により、退職者が増えた ・新規に若者が入らず、人が育たない ・時間外労働の上限規制、適切な賃金水準が義務化されるが、対応できる自信がない ・外注している職人が社会保険未加入だが、対応が遅れている |
経営課題に加えて、このような様々な労働や社会保険に問題に取り組むのは、経営者にとって大きな負担でしょう。
法定の完備は、たとえ単純な書類作成であっても時間がかかります。
さらに一度間違えてしまえば、後々面倒なことになりかねません。
これらの業務を専門家に任せれば、申請書類などの手続きだけでなく、より良い仕組み作りや改善点の提案など会社に適したアドバイスをもらえます。
また希望があれば、賃金改定に関わる給与計算の代行も依頼できるので、労務に関する面倒をまるっと任せることができます。
いずれ直面する課題への対応策として、まず税理士事務所を窓口に社労士と繋がりを持るのはいかがでしょうか?
2-6 労働環境向上のため助成金について相談したい【社労士がいる事務所】
人材の育成や業務の効率化を実現する方法として、助成金の力を借りるというのがあります。
助成金とは、「国や地方公共団体が法人や個人の事業や取り組みを支援するためのお金」です。
要件を満たせば、返済の必要がない資金をほぼ100%受給できます。
厚生労働省|各種助成金・奨励金等の制度 |建設事業主等に対する助成金(旧建設労働者確保育成助成金)
例えばこのような悩みを解決する手助けとなってくれるでしょう。
・最低賃金を引き合げたいと考えている ・若者や女性の雇用を増やしたい ・女性の活躍の推進や教育訓練の充実を実施することで、人を集めたい |
非常に魅力的な助成金ですが、3000件以上ある中から申請できる探す手間や、書類作成、団体とのやり取りを考えると申請はかなり面倒です。
その全てを代行してくれるのが社労士です。
合っている助成金を探すところから、書類の作成から提出まで全て任されることができます。
基本成果報酬なので、頼んで損をすることはありません。
改めて社労士を探すのは面倒ですが、あらかじめ社労士と繋がりのある税理士に依頼しておけば、いつでも気軽に相談できます。
3.自分に適した税理士の探し方
最後に税理士の探し方をお伝えします。
全ての自分の好みにあった飲食店を探すには、結局自分の足で訪れ、食べてみることでしか見つけられないように、自分に合った税理士を探すのも地道で手間のかかることかもしれません。
しかし、見つけることが出来たら、誰よりも心強い最良の経営パートナーとなってくれることは間違いありません。
長い付き合いになる税理士です。粘り強く探してみてください。
3-1 取引先や同業者から税理士を紹介してもらう
長く経営されている経営者の方がお願いしている税理士は、それなりの理由があって契約されていることは確かです。
まずは、同業の経営者の方に聞いてみるのがいいでしょう。
あるいは、取引先のいくつかの会社にどんな税理士と契約を結んでいるのか聞いてみるのもいいでしょう。口コミから税理士の確かな情報を集めることができます。
ただし、相手にとっては良い税理士でもご自分のニーズ次第では相性が良くないこともあります。
前章で当てはまった自分が税理士に望むサービスをもとに、合っているか考え見てください。
紹介だと断り辛いというデメリットも踏まえて、行動しましょう。
3-2 税理士が発信している情報から判断する
地道な手段ではありますが、ネットを使って税理士を探す方法があります。
特に経営コンサルティングを主流としている税理士は、力があるからこそ活発的に、建設業に関するセミナーをしていたり、情報発信をしているので見つけやすいでしょう。
また地方の税理士であれば、HPがないこともあるかと思います。
その場合は、各地方の税理士会を活用してみてください。
全国各地の全ての税理士の中から、条件を絞って、探すことができます。
日本税理士連合会「税理士を探す」
HPや電話で実際にリサーチしてみてください。
そして何より、無料相談などを利用して実際に税理士に会うことを大事にしてみてください。
ご自身のお悩みを相談してみることで、ネット上では分からない税理士との相性を確かめられるはずです。
最も確実な方法です。
4.まとめ
建設業に強い税理士に依頼するには、大前提以下の2点を抑えてることが出来ている税理士を探してみてください。
1 建設業を担当した実績や知識が豊富である 2 他の士業と繋がりがある |
そのうえで、ご自身のニーズに合った税理士を探すことが重要です。以下の5点を参考にしてみてください。
1 最低限の料金で、日々の経理業務の負担を少しでも減らしたい【記帳代行サービスを利用する】 2 売上をもっと挙げるために、事業規模の大きな工事を取りたい【行政書士と提携がある】 3 資金繰りが苦手なために、手元の資金が乏しい【経営コンサルを得意としてる事務所】 4 人材不足を解消したい【社労士がいる事務所】 5 労働環境向上のため助成金について相談したい【社労士がいる事務所】 |
ぜひ参考にしてみてください。
またビジョン税理士法人では150社以上の建設業のお客様を担当し、社労士が在籍、行政書士と提携をとってますので、建設業の会計には自信があります。
迷うことがあれば、まずはお気軽に無料相談にいらしてください。
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