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事業承継信託とは|利用時のメリットと注意点を解説

事業承継信託とは|利用時のメリットと注意点を解説

中小企業の経営者にとって、後継者へのバトンタッチは避けて通れない経営課題です。生前から丁寧に準備を重ね、円満な事業承継を実現したいと考えている経営者は多いでしょう。

近年、柔軟な承継を実現する手法として注目されているのが「事業承継信託」です。簡潔にまとめると自社株式を信託する手法ですが、実際に利用する際にはどのようなメリットや注意点があるでしょうか。そこで、本記事で事業承継信託についてのメリット・デメリットや注意点、信託方法の種類についても触れながらご説明いたします。

 

事業承継信託のしくみと利用方法とは

少子高齢化が進む中、多くの中小企業にとって「いかに円滑に次世代へ経営を引き継ぐか」は喫緊の課題です。その解決策として注目されているのが事業承継信託です。

本章では、制度の概要から信託方法の種類を中心に解説します。

事業承継信託の概要

事業承継信託とは、経営者が自社株を信頼できる相手(受託者)に信託し、契約で定めた目的に従って経営権や財産権を承継させるしくみです。

信託には「財産管理機能」と呼ばれる機能があります。委託者は受託者に対して資産の管理・処分・運用を委ねることが可能です。

また、信託契約により、議決権の行使方法や承継のタイミングなども柔軟に設計できます。

事業承継信託の主な4つの種類

  1. 他益信託
    事業承継の場面における他益信託は、現経営者である委託者が信託銀行などを受託者、後継者を受益者に指定する方法です。受託者は株式や事業用資産を管理します。委託者の生前から後継者に経済的利益を移転できるため、段階的な承継や後継者育成期間の確保に適しています。

  2. 遺言代用信託
    委託者の死亡(相続の発生時)を契機として、後継者が受益権を取得する信託方法を遺言代用信託と言います。遺言と同様の機能を持ちながら、遺言よりも柔軟かつ詳細な承継設計が可能です。相続開始後の株式分散や経営混乱を防ぐ目的で、事業承継対策として活用されます。信託契約を結ぶ段階で、相続時を見据えて後継者を定めておけるというメリットがあります。

  3. 帰属権利者型信託
    帰属権利者型信託とは、現経営者である委託者の死亡(相続の発生)とともに信託終了となり、自社株式を後継者に帰属させる信託方法です。
    最終的に自社株を誰に帰属させるのかを明確にしておくと、相続発生後の後継者争いも避けられるため、長期的な事業承継計画に向いています。

  4. 受益者連続型信託
    一次受益者、二次受益者、三次受益者…と、将来にわたる受益者をあらかじめ指定できる信託を受益者連続型信託と言います。
    遺言書では相続発生後の一世代分の承継しか指定できませんが、受益者連続型信託を用いれば、複数世代にわたる承継の流れを事前に設計することが可能です。経営者の意思を世代を超えて反映でき、後継者のさらに次の世代まで見据えた事業承継を可能にします。

事業承継信託の利用方法

事業承継信託を利用する際は、まず税理士や信託銀行などの金融機関、弁護士、司法書士などの専門家に相談し、自社の株式構成や債務状況、後継者の属性や相続関係を整理することから始まります。

そのうえで、誰を受託者・受益者とするのか、どのようなスキームで信託契約にするのかといった点を検討します。

内容が固まった後は、公正証書などの形式で信託契約を締結します。事業承継信託は設計の自由度が高い反面、内容次第で法務・税務だけではなくご家族への影響が大きいため、複数の専門家が連携しながら進めることが、円滑な承継を実現するための重要なポイントといえるでしょう。


事業承継信託のメリット・デメリットとは

円満に事業を繋いでいく方法として注目される事業承継信託ですが、柔軟な設計だけではなく押さえておきたいデメリットもあります。そこで、本章では事業承継信託のメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

メリット

  1. 経営権と財産権を分けて承継できる
    「株そのもの(財産)は将来的に後継者に渡したいが、経営の決定権(議決権)はまだ自分が持っておきたい」あるいはその逆、といった柔軟な設計が可能です。

  2. 認知症などによる経営停滞を防げる
    経営者が認知症などで判断能力を失うと、株主総会での議決権行使ができなくなり、会社の意思決定がストップしてしまいます。信託を活用し、あらかじめ後継者を「受託者」にしておけば、万が一の際も後継者がスムーズに経営を継続できます。

  3. 「後継者の教育期間」を設けられる
    株を一度に譲渡するのではなく、信託期間中に後継者に議決権を行使させ、経営の実践を積ませることができます。経営者はその様子を見守ることができ、さらに相続時に株式が分散するリスクもなくせるため後継者トラブルの回避も可能です。

  4. 数代先までの承継先を指定できる(後継ぎ遺贈型受益者連続信託)
    通常の遺言では、自分の次の代の承継先までしか指定できません。しかし、信託を使えば「次は長男に、長男が亡くなった後はその息子の長孫に」といったように、数代先までの承継ルートをあらかじめ決めておくことが可能です。

デメリット

  1. 導入・維持コストが高い
    信託契約書の作成には、高度な法的・税務的知識が必要です。税理士、信託銀行などの専門家へのコンサルティング費用や手数料が発生します。また、信託銀行を受託者にする場合は、毎月の管理手数料もかかります。

  2. 税務判断が非常に複雑
    信託の設定時や期間中、終了時のそれぞれのタイミングで「誰に課税されるのか」という判断が難しく、専門的な税務シミュレーションが不可欠です。誤った設計をすると、思わぬ贈与税や相続税が課されるリスクがあります。

  3. 周囲(親族・金融機関)の理解を得にくい
    「信託」というしくみ自体がまだ一般的ではないため、他の親族から「不公平だ」と反発を受けたり、取引銀行から「株の所有構造が複雑で分かりにくい」と警戒されたりすることがあります。導入前の丁寧な説明が欠かせません。

  4. 遺留分を侵害するリスクがある
    特定の相続人に自社株を集中させる設計にした場合、他の相続人の「遺留分(最低限の取り分)」を侵害してしまう可能性があります。詳しくは後述します。

利用前に知っておきたい事業承継信託の注意点

事業承継信託は非常に自由度が高く便利なツールですが、強力なしくみゆえに、事前の準備を怠ると「思わぬ反発」や「法的な紛争」を招くリスクがあります。

事業承継税制を利用できない

事業承継信託で自社株式の信託を検討する際、注意すべきなのが「事業承継税制が利用できない」点です。

事業承継税制は、後継者が自社株を贈与や相続で引き継いだ際、一定の要件を満たせば税金の支払いが実質ゼロになる非常に強力な節税策です。しかし、この制度の適用を受けるためには、後継者が「株式そのもの」を直接取得し、所有権を持つ必要があります。

一方、事業承継信託を利用すると、後継者が手にするのは「株」そのものではなく、信託から利益を得る権利である「信託受益権」となります。

現行の税法では、この受益権の承継に対して事業承継税制(特例措置など)を適用することが認められていません。

「節税を優先するか、承継の確実性を優先するか」という視点で、税理士等の専門家とシミュレーションを行うことが不可欠です。

遺留分に配慮した相続対策が必要である

「遺留分」とは、配偶者や子供などの法定相続人に最低限保証されている遺産の取り分のことです。

かつては「信託財産は遺留分に関係ない」という説もありましたが、遺留分については見解が固まっておらず、思わぬ遺留分トラブルにつながるおそれがあります。

経営者が亡くなった後、自社株を承継できなかった他の親族から「自分の取り分(遺留分)が足りないから、その分を現金で払え」と遺留分侵害額請求される可能性があります。

請求された後継者に支払能力がない場合、せっかく引き継いだ自社株を手放したり、会社から無理な資金捻出をしたりすることになり、経営基盤を揺るがしかねません。遺留分に配慮した相続対策もあわせて検討していく必要があります。


まとめ

柔軟な制度設計が魅力的な事業承継信託ですが、税制や遺留分など注意を払いながらスキームを検討する必要があります。思わぬ課税で経営に打撃を受けないためにもまずは税理士へ相談されることがおすすめです。

横浜市を中心に多くの中小企業をサポートしているビジョン税理士法人では、事業承継信託に関するご相談にも対応しています。まずはお気軽にご相談ください。

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