中期経営計画の作り方を徹底解説!テンプレートを利用して簡単作成


あなたは今、中期経営計画の作り方を知りたいと考えていませんか?

中期経営計画は、3年から5年の会社の経営計画をまとめたもので、項目としては、経営理念や売上目標、売上目標を達成するための行動指針などがあげられます。

会社が倒産する際には「いきあたりばったりの経営をしている」ことが理由であることが多く、経営者が計画を持って事業を行うことが非常に大切です。

さらに、中期経営計画を作成することで、会社の課題が明らかになったり、売上アップにつながったりといった効果もあります。これらのことから、中期経営計画は、必ず作成するべきと言えるのです。

とはいえ、中期経営計画には決まったフォーマットはないために、何を考えてどこから作っていくべきなのか分からないという人も多いでしょう。

そこで、本記事では、誰でも簡単に中期経営計画を作ることができるよう、テンプレートと作り方のステップについて紹介していきます!

ステップに従うだけで、誰でも中期経営計画が作成できるようになりますよ。

また、中期経営計画を作成する際の注意点中期経営計画をしっかりと実行まで持っていくためのポイントについても紹介していきます。

ぜひ参考にしてみてくださいね。


1.中期経営計画はテンプレートを使って作成しよう!

中期経営計画はテンプレートを使って作成するようにしましょう。

中期経営計画には特に決まったフォーマットはありませんが、自分たちでオリジナルの計画書を作ろうとすると「何から書いていいか分からない」「どう書いていいか分からない」と悩み、途中で挫折してしまうことが多いです。

そのため、まずは、テンプレートを基に中期経営計画を作成することをおすすめしています。弊社では下記テンプレートを推奨します。

弊社では、実際に上記テンプレートで経営計画を作成したところ、3年で利益を10倍に増やすことに成功しました。

テンプレートはこちらからダウンロード可能なので、まずは弊社で作成した実際の経営計画書を見て参考にしてもらい、あなたの会社の経営計画書を作成してみてください。

中期経営計画は、テンプレートを基にして、とにかく作り始めることが大切です。最初から完璧にするのは難しいので、まずは作り始めてみて、少しずつ自分の会社に合わせた形にブラッシュアップしていきましょう。

次項から上記テンプレートにしたがって、中期経営計画を作成する手順について紹介していきます。

数値が入力できるフォーマットも用意しているので、必要であれば、それぞれの項目の最後のリンクからダウンロードしてくださいね。


2.13ステップで完了】中期経営計画の具体的な作り方

実際に中期経営計画を作るステップをひとつひとつ解説していきます。

上述した通り、中期経営計画の内容は会社ごとに異なり、決まったフォーマットはありません。ただ、良質な中期経営計画書に仕上げるために、弊社では下記13ステップに従って作成することを推奨しています。

【中期経営計画の作り方13ステップ】

上記ステップを見てもらえば分かるように、弊社の中期経営計画に関しては、長期経営計画や短期経営計画の要素も入っています。

「中期経営計画なのに、どうして長期や短期のことも考えないといけないの?」と考える人もいるかもしれませんが、長期のビジョンを定めた上でそこから外れないような中期経営計画を立てることが大切であるし、短期の利益が定まらなければ中期の計画を立てることも難しいからです。

このようにそれぞれが密接にリンクしているので、弊社では、長期・短期の要素も含めた中期経営計画を作成することをおすすめしています。

13ステップは少し多いのでは?」と感じる方もいるかもしれませんが、ステップにしたがって行うことで、自然と目指すべき会社像、自分の価値観、現在の課題など会社経営において基本となる事柄について整理されていきます。

それでは、ひとつひとつステップに従って作成していきましょう!

STEP1:使命感・ミッション作成

使命感とは「会社が社会・世の中で実現したいこと」を言語化したものです。例えば、ビジョン税理士法人では、「100年経営とワクワクする良い会社創りを応援します」という使命感を掲げています。

使命感・ミッションは、会社の存在理由を定義し、今後の会社の行動指針になるものなので、時間をかけて考えてみましょう。

また、使命感・ミッションを従業員と共有した際に、従業員の士気を高め、行動力の促進につながるようなものであることが大切です。

思いつかない場合には、他の会社の使命感やミッションを参考にしてみましょう。

【参考:他社の使命感・ミッション】

(ファーストリテイリング)
本当に良い服、今までにない新しい価値を持つ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供します
独自の企業活動を通じて人々の暮らしの充実に貢献し、社会との調和ある発展を目指します
(イオン)
お客様を原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する。(ローソン)
私たちはみんなと暮らすマチを幸せにします。

STEP2:経営理念の作成

経営理念とは、社長が持っている人生観、仕事感、価値観に基づいて会社の基本的な価値観・考え方を言語化したものです。

ビジョン税理士法人では、「お客様第一主義の実現を通じて、全従業員が幸せになり、社会に貢献する」という経営理念をかかげています。

STEP1では、会社が社会・世の中で実現したいことを考えましたが、経営理念においては「社長が何のために経営をしているのか?」という価値観を表現したものです。

そのため、従業員に対する思いも含まれた形となるのが一般的です。

経営理念を作成するポイントとしては、「①社員の幸福②お客様満足③社会貢献」の3つの視点を盛り込むことです。

経営理念は、社長の人生観や価値観を形にしたものであるため、最初から完璧な言葉で表現するのは難しいかもしれません。

そのため、最初は社長の基本的な価値観を従業員に伝え続けながら、常に経営理念について考え、徐々に言葉で表せるようにしていければ大丈夫です。

【参考:他社の経営理念】

(京セラ)
全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること。

(三井住友銀行)
お客さまに、より一層価値あるサービスを提供し、お客さまと共に発展する事業の発展を通じて、株主価値の永続的な増大を図る
勤勉で意欲的な社員が、思う存分にその能力を発揮できる職場を作る
社会課題の解決を通じ、持続可能な社会の実現に貢献する

STEP3:経営計画発表会にあたって

経営計画を従業員に浸透させるためには、「経営計画発表会」を開くことが必須です。

社長が自分の言葉で直接熱意を伝えることで、従業員の士気を高め、協力を得られるようになるからです。

そして、この「経営計画発表会にあたって」の項目では、経営計画発表会で伝える言葉を文章化していきます。

上記は、ビジョン税理士法人で作成した「経営計画発表会にあたって」ですが、長文で書いていることからも分かるように、1番時間をとって考えるべき箇所のひとつです。

なぜなら、社長がどのようなプレゼンを行うかによって、従業員の会社へのコミットメントが変わるからです。

ぜひ、経営計画発表会の開催を検討してみてくださいね。

STEP4:短期利益計画

短期利益計画とは、社員を守り会社が生き残るにはどれだけの利益が必要で、必要な利益を稼ぐためにはどれだけの売上が必要であるかを明らかにする計画です。

上記の通り、まずは目標とする経常利益を決めた後に、売上がいくら必要かなど細かい部分について検討していきます。

基本的には、下記のような項目について考えていくことになります。

経常利益・・・目標とする経常利益は、次の(A)又は(B)の方法で決めることがお勧めです。

A(一年間の借入金返済額+お金を増やしたい金額)÷0.7(法人税30%)
               又は
B)社員一人当たりの目標経常利益100万に社員数を掛ける(パート0.5)
営業外費用と営業外収益・・・営業外費用は銀行から借入金利
不明の場合は、前期の決算書を見て、前年と同額記入。
営業利益・・・経常利益+営業外費用‐③営業外収益
人件費・・・給与・賞与・社会保険料(法定福利費)・通勤交通費
未来戦略費・・・未来のための投資。採用費・教育費・広告・研究開発費
減価償却費・・・分からない場合は前年と同額(決算書の額)を入れる。
その他経費・・・販売費一般管理費のうち、人件費・未来戦略費・減価償却費を除いた金額
経費合計・・・の合計です。
粗利益額・・・・の営業利益+の経費合計を記載
売上高・・・の粗利額÷前年の粗利益率で割って下さい。
仕入・外注費・・・の売上高-の粗利額の差額が、粗利額
の売上高・・・会社で稼ぎ出さなければならない売上額

最初は、上記の順番通りに考えていきましょう。経費などは職種によって異なる部分もあるので、その点は自分自身でカスタマイズしてみてください。

短期利益計画のフォーマットはこちらからダウンロードできるので、必要であればご活用ください。

STEP5:販売計画

STEP4の「短期利益計画」で計算した粗利と売上を「どの商品で稼ぐのか?」「どのようなお客様に買っていただくのか?」を決めていくステップになります。

販売計画には商品別販売計画」お客様別販売計画」担当者別販売計画」の三種類があり、業種によってどの販売計画が適しているのかが変わってきます。

例えば、商品販売計画であれば、下記のようなステップで販売計画を立てていきます。

現在ある商品で、どれだけの粗利益を稼げるのか
商品構成を変えることで、粗利益はどれだけ稼げるのか
新たな商品・サービスは、どれだけ粗利益を稼げるのか
既存のお客様に、既に購入頂いている商品以外は購入頂ける余地はあるのか
どうしても販売計画で、目標数字の到達が不可能であれば、再度利益計画から練り直す

最初は、なかなか目標の売上に到達させることが難しいかもしれませんが、そこをどう考えて突破していくのかが経営者の腕の見せ所とも言えるでしょう。

販売計画書のフォーマットはこちらからダウンロードすることができるので、ぜひご活用ください。 

STEP6:中期事業計画

STEP6では、社長が「5年後、会社をどのようにしたいのか」を中期事業計画の数字で表現します

一般的には、こちらの中期事業計画が「中期経営計画」に該当しますが、いきなりここから作り始めるのは難しいと考える人も多いのではないでしょうか。

ここまでのステップで、経営理念や短期利益計画、販売計画を立ててきた中で、今後の会社について考える土壌ができてきたはずです。 

中期事業計画は、具体的には、下記のように「5年先の会社の姿」における売上、利益額、社員数などを目標数値で決めていきます。

上記に記載の通り、中期事業計画を作成していく中で、

・新商品、新サービスの開発
・現事業の規模の拡大
・今後の需要についての見通し
・社員の増員
・新たな設備投資

などについて慎重に考えながら数字を積み上げていきましょう。

そして、中期事業計画を作成することを通して、今現在において何をすべきか、何をしなければならないかについても明らかになってくることでしょう。

中期事業計画について考えるのが難しいようであれば、3章「3.中期経営計画書を作るには内部環境と外部環境の分析が大切」で紹介している内部環境分析と外部環境分析を行うことで、今後の会社のあり方について見えてくるでしょう。

中期事業計画のフォーマットはこちらからダウンロードすることができるので、ぜひご活用ください。

STEP7:経営基本方針

経営基本方針は、何を重視して会社経営をするかを社員に伝えるために書くステップなります。具体的な言葉で表示することで、社員と価値観を共有していき、芯のあるブレない経営を行うことができるのです。

上記の通り、経営基本方針では、最初に「お客様第一主義」を書くことをおすすめしています。

会社は、お客様がいなければ、会社は存続できないという考え方が全てのスタートとして、経営基本方針を作っていきましょう。

STEP8:社員の未来像/ビジョン

STEP8では、社員の未来像やビジョンについてまとめていきます。

社員が自分の将来の姿を具体的にイメージできるような形でまとめていくことで、社員のモチベーションアップにつなげていくことができます。

上記の通り、「社員が持ち家を持てるような給与を実現する」「家族旅行に年三回行けるような給与額を目標とする」など、「社員の処遇」について具体的な目標を掲げます

また、社員の「将来のコース」、例えば、幹部などの出世の道すじについても明らかにしていきます。

これによって、社員は自分の未来像を描くことができ、目指すところが明らかになるため、モチベーションアップにつながるのです。

さらに、下記の通り「2025年までに、年商10億円・経常利益1億円・社員数100人、お客様数1000社の会社になる」といった、事業規模の未来を同時に掲げ、こちらも目標に向かうモチベーションとします。

優秀な社員ほど、会社の未来像や自分の未来像に敏感であり、未来が描けないと辞めてしまうと言われているため、これらの将来像を社員に示すことは会社存続に非常に重要な意味を持っているのです。

STEP9:長期事業構想

長期事業構想は、世の中の変化を見据えながら、10年〜20年先の我が社はどのように生き残るのか、何をしなければならないのかを考えるステップです。

「中期経営計画」というよりは「長期経営計画」の要素が大きいですが、中期経営計画にも大きく影響を与えることになります。例えば、「長期経営計画」で大きな目標を達成したいことに気がつき、中期経営計画の目標値を引き上げるという決定につながるかもしれません。

10年先は、遥か先なので見えないから考える必要がないのではなく、未来が分からないからこそ、敢えて長期的な視点で会社の将来を考える必要があるのです。

長期事業構想では、5年から10年ごとの期間で区切り、下記の項目についての構想を書き出してみましょう。

・重点商品
・お客様へのサービス提供
・形態・売上、粗利額、利益、従業員数(事業規模はどれくらいを目指しているのか)
・従業員の処遇・内部重点項目

長期事業構想を書くことで、「今後、自分は会社をどうしていきたいのか」といった考えを整理することができます。また、社員に対して長期事業構想を共有することで、同じ目標に向かっていけるだけでなく、将来像が明らかになることで現在の仕事に安心して没頭することにもつながるのです。

長期事業構想のテンプレートはこちらからダウンロードすることができるので、ぜひご活用ください。

STEP10:行動指針

行動指針とは、会社が大切にしていることで、社員一人一人に大切にしてもらいたいことを明文化したものです。行動指針は、社員における行動の拠り所となります。

上記のように行動指針を定めることで、日々の忙しい業務の中でも大切にしなければならないことを忘れずにいられます。

そして、社員が行動指針を守ることで、安定した経営へとつながるのです。

STEP11:戦略

商品やサービスにおける事業の方向性や、ターゲット層を考える箇所です。どのようにライバルと差別化した事業を展開するのか、また、どのような人をターゲットにするのか戦略を立てます。

戦略を考えることは非常に重要なのですが、中小企業において、戦略で差別化することは難しいため、作成初年度は空欄にしておいても良いでしょう。経営を続けていく中で、少しずつ考えていくという方法もあります。

STEP12:組織図

組織図は、会社の目的である、経営理念・使命感を達成させるために、各社員をどのように役割分担するのかを明示した組織の設計図です。

組織図は、上記のように「組織はピラミッド型の組織とする」「指揮・命令系統や権限と責任を明確にした組織図とする」という2つの点を意識しながら作成してみましょう。

組織図を作りながら、現在の会社全体の様子を俯瞰して確認することで、例えば、「社長の役割が広すぎる」といった課題に気づくことができます。

組織における課題に気がついたら、

・社長が兼務している役職はどこか、いつまでに、誰に任せるのか?
3年後をイメージして、どこの役職を、誰に任せるのか?
・採用で補う必要はあるのか?

など、課題に対応する方法について考えていき、組織をよりうまく回すことを目指していきましょう。

STEP13:戦術「〇〇に関する方針」

最後に「〇〇に関する方針」といった戦術を考えていくことになりますが、ここの内容は、会社の状況に応じて異なります。

会社によっては「新規事業に関する方針」として、新商品やサービスについての方針をまとめたり、また、サービス業などでは「お客様に関する方針」として、従業員内で共通の意識を持つべき方針についてまとめたりします。

会社にとって大切な方針、社員に共有すべき方針について、個別にまとめていくところと考えてください。

他にも下記のような戦術を考えてみるのも良いでしょう。

・お客様に関する方針
・商品・サービスに関する方針
・採用に関する方針
・環境整備に関する方針
・クレームに関する方針
・社員に関する方針
・社員教育に関する方針

以上、経営計画の作り方13ステップについて解説しました。

経営計画の作り方13ステップについてまとめてサンプルを見てみたい場合には、こちらからダウンロードしてみてください。

また、ビジョン税理士法人では、「社員のモチベーションが上がり、3年で利益が10倍になったビジョン式経営計画書」を基に、経営計画書作成のサポートセミナーも行なっています。

詳しくは、こちらのページをあわせてご参照ください。


3.中期経営計画書を作るには内部環境と外部環境の分析が大切

中期経営計画の作り方について解説してきましたが、会社の戦略や販売計画を立てる際に、「どこからどう考えていけばいいのか分からない」と感じた人もいるかもしれません。

そこで、中期経営計画を作る際に、内部環境分析と外部環境分析を行うことをおすすめします。内部環境分析とは、会社の状況や経営資源を客観的に分析すること、外部環境分析は、自社を取り巻く状況を分析することを指します。

 それぞれについて理解することで、例えば、STEP5の販売計画において「会社の強みは、高いIT技術だからインターネット販売を強化しよう」など、中期経営計画を立てる際に役立てることができます。

内部環境の分析と外部環境の分析、それぞれについて解説していきます。

3-1.内部環境の分析

内部環境の分析とは会社の状況や経営資源を客観的に分析することを指します。

具体的には、従業員数や販売力、営業力やマーケティング力、価格競争力など会社に必要な項目について多角的に分析していきます。

内部環境の分析を行い、会社の強みや弱みを把握することで、下記のようなことを考えることにつながります。

・会社の強みを生かせる市場はどこか
・会社の強みを生かした戦略とはどのようなものか
・弱みを課題として社員に認識させるにはどうしたらいいか
・弱みをカバーするためにどのような行動をすればいいか

このように、内部環境分析を行うことで、中期経営計画における、販売計画や中期事業計画、経営基本方針などが作成しやすくなるでしょう。

【内部環境の分析を行う代表的な項目と例】

内部環境の分析を行う代表的な項目
製品やサービス、販売力、マーケティング力、経営能力、技術力、人材、財務力、資産、設備、生産体制、企業風土、立地、物流、価格競争力


・世界でもトップレベルの従業員数を誇る
・高い営業利益を叩き出せる
・若い世代への訴求力が低い
など

3-2.外部環境の分析

外部環境の分析とは、自社を取り巻く状況を分析することを指します。

具体的には、法律の改正世の中の流行市場規模競合他社の状況を分析します。

例えば、新たな商品を開発する場合には、市場規模がどれくらいか、販売は違法ではないか、また、需要はあるのかなどを分析しなければヒット商品は生まれないでしょう。

また、STEP9の長期事業構想を立てる際にも、外部環境の分析、すなわち「これから世の中がどのようになっていくのか」といった予測や分析を無視することはできません。

外部環境の分析を行う代表的な項目
法改正、政治的要因、景気動向、人口、社会的動き、社会的意識の変化、世の中の流行、市場規模、競合他社の状況、イノベーション


・日本国内での需要は縮小する予測だが、海外に勝算がありそう
・競合相手の急成長と大企業参入のリスクあり

 

このように、前項で解説した内部環境と外部環境の分析を行うことで、会社の戦略や長期事業構想についてのアイデアが見えてくるのです。

3-3.SWOT分析を行ってみよう

内部環境と外部環境の分析を行う手法として、SWOT分析と呼ばれるものがあります。

SWOTとは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)のことで、これらを分析することによって、自社のビジネスを成功させるために必要な要因や課題を明らかにすることができます。

例えば、下記のように内部環境と外部環境を整理していきます。

【例】

 

ポジティブ

ネガティブ

内部環境

(強み)
・世界的知名度
・質が高く安価な商品
・従業員の英語力、アイデア力
・顧客からの信頼性

(弱み)
・デザイン性
・離職率の高さ
・ネット通販の弱さ

外部環境

(機会)
・所得の減少
・知名度を生かした別ジャンルへの進出
SNS利用の宣伝可能性

(脅威)
・少子高齢化、人口減少
・ネット通販での買い物増加
・若年層のデザイン重視
・人手不足

SWOT分析を行うことで、「会社の強みをどの市場で生かすことができるのか」といった戦略や、弱みを改善するための行動計画について見えてくるため、中期経営計画を作る際に大いに役立つことでしょう。

こちらの記事を参考にして頂ければと思います。→【事例でわかる】SWOT分析を成功させるための6つの完全ステップ


4.中期経営計画を作る際に注意すべき2つのこと

中期経営計画を作成する際に注意すべき下記2つのことについて解説します。

・完璧に仕上げることを目指さない
・矛盾点はないかチェックする

4-1.完璧に仕上げることを目指さない

中期経営計画を作る際に注意すべきこととして、完璧に仕上げることを目指さないことが大切です。

通常は、2章で解説した13ステップ全てをスラスラ書けることはなく、どこかで行き詰まったり、手が止まったりすることがあるでしょう。

その場合には、3章で解説した内部環境、外部環境の分析を行ってみたり、他の会社の中期経営計画を参考にしたりしながら、「とりあえず」で埋めて、次のステップに進んでいきましょう。

他の項目を考えている中で見えてくることもあれば、実務の中で重要なことに気がつくこともあります。

そのため、最初はとにかく中期経営計画を形にした上で、徐々に修正してブラッシュアップし、完成形に近づけていけば大丈夫です。

4-2.矛盾点はないかチェックする

中期経営計画を作成していく中で、矛盾点はないかチェックすることを忘れないようにしましょう。

例えば、目標達成のためには11000人の集客をしなければならない計算になり、そのように販売計画に記載したものの、営業時間内に1000人はどうやっても不可能である場合など、現実と数字の間に矛盾が生じることがあります。

この場合には、他の戦略を考えるか、目標値を下げなければなりません。

目標が高すぎると、どうしても具体的な戦略や数値を積み上げる際に矛盾が生じてしまうので、常に矛盾点がないかどうかをチェックしながら、中期経営計画を作成するようにしましょう。


5.中期経営計画を実行するためのポイント

中期経営計画を実行するための下記3つのポイントについて解説します。

・中期経営計画を作成し具体的な行動計画を立てる
PDCAに従って行う
・評価制度への反映

せっかく中期経営計画を立てても、立派な計画だけで終わってしまっては意味がなく、実行することが何よりも大切です。

中期経営計画が「絵に描いた餅」で終わってしまっている会社も多いため、実行していくためのポイントについて解説します。

5-1.中期経営計画を作成し具体的な行動計画を立てる

中期経営計画を実行に移すには、期経営計画を作成して具体的な行動計画を立てことが必要です。

おそらく中期経営計画を作成しただけでは、社員は他人事のように捉えてしまうことでしょう。そこで、中期経営計画を現場に落とし込み、社員の行動を促せるようなものにしなければならないのです。

そこで、中期経営計画を基に、短期経営計画を作成し、例えば、部門ごとにリーダーを選んで、短期経営計画が達成されているかどうかをこまめにチェックしていくようにすれば、社員の中期経営計画への意識も強まるでしょう。

2章で紹介しているステップに従って中期経営計画を作成すれば、STEP4「短期利益計画」などで作成する流れになっているので、心配する必要はありません。

5-2.PDCAに従って行う

PDCAを意識して、中期経営計画を実行していきましょう。

PDCAとは、Plan(計画)、 Do (実行)、 Check(検証)、Action(再実行)のことで、中期経営計画を立てたら、すぐに行動に移し、検証し、次の行動につなげていくようにしましょう。

このように、PDCAを意識することで、中期経営計画を立てっぱなしにせずに、必ず実行に移すことができるのです。

5-3.評価制度への反映

中期経営計画を実行に移すための方法として、評価制度に反映することがあげられます。

やはり、社員にとっては会社の目標を示されても他人事のように感じてしまうことは多いでしょう。

しかし、中期経営計画を行動計画に落とし込み、社員個人の目標として設定することで、他人事ではなくなります。

目標を達成した人に報酬や評価という形を表せば、社員も中期経営計画を意識せざるを得なくなるでしょう。


6.まとめ 

本記事では、中期経営計画の作り方について解説しました。弊社で推奨している中期経営計画の作り方手順は下記の通りです。

弊社が推奨しているテンプレートをご利用いただければ、誰でも中期経営計画を作成することができます。

弊社の売上をアップさせただけではなく、多くのクライアント様からも大きな反響をいただいているテンプレートを、あなたの会社でもぜひご活用ください。

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