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小規模宅地等の特例の誤りやすい適用例と対策方法

小規模宅地等の特例は4種類の制度が存在し、各制度によって相続税評価額を減額する割合や、適用可能な限度面積が異なります。
また特例要件も制度ごとに違うため、要件を満たした土地に対して適用しないと、特例を受けることはできません。
そこで本記事では、小規模宅地等の特例を適用する際に注意すべきポイントを解説します。

 

小規模宅地等の特例に共通する間違えやすい適用要件

相続税は毎年申告する税金ではありませんし、ほとんどの人が初めて相続税の申告をします。
そのため小規模宅地等の特例の適用要件を、間違えて申告するケースは度々発生していますのでご注意ください。

 

贈与で取得した土地には適用できない

小規模宅地等の特例は、相続により取得した土地に対して適用できる制度ですので、贈与により取得した土地に対しては適用できません。
また相続開始前3年以内に被相続人からもらった贈与財産は、相続税の計算に加えなければなりませんが、加算する贈与財産に対しても特例は適用できないです。
そして相続時精算課税制度した場合も同じく特例の対象外となりますので、小規模宅地等の特例を利用したい土地は、相続により取得する必要があります。

 

小規模宅地等の特例は法定相続人以外でも適用可能

小規模宅地等の特例は、法定相続人以外の親族でも適用可能です。
親族とは、6親等以内の血族と3親等内の姻族をいい、従姪孫(いとこの孫)や配偶者の甥姪までが親族の範囲です。
また法定相続人とは、民法で定められた相続人をいい、被相続人との続柄により相続順位が決まっています。
相続順位の高い人が相続開始時点で健在の場合、相続順位が下位の相続人は法定相続人にはなれません。
しかし第1順位の相続人が不在の場合には、第2順位に相続権が移行し、第2順位の相続人が不在なら第3順位の相続人が法定相続人になります。
なお配偶者は、相続順位にかかわらず相続権を有しており、被相続人よりも配偶者が先に亡くなっていても相続権が他に移ることはありません。

 

<法定相続人の相続順位>

相続順位 法定相続人となる人
第1順位
第2順位 直系尊属(実父母など)
第3順位 兄弟姉妹

 

自宅に小規模宅地等の特例を適用する際に間違いやすい要件

被相続人の住んでいた自宅に対しては、小規模宅地等の特例の制度のうち『特定居住用宅地等』を適用できます。
ただ特定居住用宅地等は、適用する対象者によって適用要件が異なりますのでご注意ください。

 

特例を適用するのは原則被相続人と同居していた人

特定居住用宅地等は、被相続人と一緒に住んでいた親族が自宅を相続し、引き続く自宅に住み続けることで適用できる制度です。
そのため同居親族以外が自宅を相続した取得した場合や、相続税の申告期限前に別物件に移り住むと特例は適用できません。
また自宅を取得した人は申告期限まで、物件を保有している必要があるため、売却や贈与するなど、自宅を処分した場合も特例は適用できません。

 

配偶者に居住要件はない

配偶者が特定居住用宅地等を適用する場合には、居住要件や継続保有要件はありません。
そのため配偶者は、自宅を相続しただけで特定居住用宅地等を適用することが可能となるため、他に要件を満たす人が不在の場合には、配偶者が自宅を相続する選択も必要です。

 

別居親族が特例適用するためには家なき子であること

被相続人が一人で自宅に住んでいた場合には、別居親族でも特定居住用宅地等を適用できる可能性があります。
しかし適用できるのは家なき子の親族のみに限られ、持ち家に住んでいる親族は特例を適用できません。
また家なき子とは、相続開始前3年以内に本人、本人の配偶者、本人の3親等内の親族などが所有する建物に住んでいたことがない人をいいます。
(令和2年4月1日以降の相続の場合)
したがって相続人本人に持ち家がなくても、被相続人などの所有する建物に住んでいた場合、家なき子には該当しないため、特例は適用できません。

 

遺産分割と小規模宅地等の特例の関係性

小規模宅地等の特例は遺産分割協議書や遺言書により、対象物件を相続する人が決まっていることを前提とした特例です。
したがって相続財産が未分割の状態で、小規模宅地等の特例は適用できませんが、後から適用できるケースもあります。

 

特例を適用する土地の分割協議が完了していれば適用可能

小規模宅地等の特例は、特例を適用する土地以外の相続財産が未分割の状態でも、特例を適用できます。
一部分割の状態で特例を適用する場合、全部分割の時と同様で、相続税の申告書に遺産分割協議書を添付する必要があります。
なお相続財産のすべての分割が完了したら、その段階で再度申告書を提出することになりますので、ご注意ください。

 

3年以内に遺産分割が完了すれば特例は適用可能

未分割の状態では、小規模宅地等の特例を適用できません。
しかし相続税の申告書を提出する際、「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付し、相続税の申告期限から3年以内に分割が完了すれば、その時点で特例を受けれるようになります。
なお後から小規模宅地等の特例を適用する場合、申告手続きが必要となりますが、遺産分割協議の内容によって提出する書類が異なります。

 

申告期限から3年を経過しても特例を適用できる可能性はある

相続税の申告期限から3年を経過しても、遺産分割協議がまとまらない場合、原則として小規模宅地等の特例は適用できません。
しかし申告期限後3年を経過する日の翌日から2か月を経過する日までに、「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出し、税務署が承認すれば特例適用の期限は延長されます。
「やむを得ない事情」とは、相続に関しての訴訟や調停などが行われている場合をいいます。
そのため相続人間の話し合いが継続しているだけでは、期限延長の申請は認められません。
また申請書を提出する際は、裁判など分割協議を継続している書類の添付が必要となりますので、特例を適用する際は可能な限り、3年以内に遺産分割を完了させてください。

 

相続税の申告書を提出しないと小規模宅地等の特例は適用されない

小規模宅地等の特例は、特例の適用要件を満たしていても、相続税の申告書を提出しなければ適用できませんので、申告手続きは必須となります。
また相続税を専門としていない税理士事務所では、相続税の申告書を作成する機会はあまり多くないため、節税相談をする相手としてはオススメできません。
そのため相続税の節税方法や特例の適用要件を知りたい方は、ビジョン税理士法人にお尋ねください。