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小規模宅地等の特例の選択替えが可能なケースと不可能なケースの解説

小規模宅地等の特例は、原則として申告期限を過ぎてから適用する土地を変更することはできません。
しかし一定の条件が整った場合に限り、特例適用の土地を変更することも可能です。
本記事では、小規模宅地等の特例を適用する土地について、変更できるケースとできないケースにをそれぞれご説明します。

 

提出した申告書の内容を変更する方法は3種類

相続税の申告書を提出し、その後申告内容を変更したい場合には、3種類の方法があります。

<申告内容を変更する手続き方法>

  • 訂正申告
  • 修正申告
  • 更正の請求

 

3種類の手続きは選択制ではなく、変更する申告内容や変更時期などの要件を満たしている場合に限り、手続きを行えます。
そのため、これら3種類のいずれの要件も満たさないケースでは、小規模宅地等の特例の選択変更はできません。

 

訂正申告は期限内に申告書を再提出する方法

訂正申告とは、すでに申告書を提出している人が、申告期限内に申告書を再提出する方法です。
申告期限内であれば、何度でも申告書を再提出できます。
しかし訂正申告書は、当初提出した申告書の内容を上書きする性質があるため、訂正した申告書で特例適用を忘れた場合、特例を適用していない申告書として取り扱われますのでご注意ください。

 

修正申告は過少に申告していた内容を期限後に変更する方法

修正申告は、当初申告の内容に誤りがあり、申告額が過少だった場合に申告書を再提出する方法です。
たとえば当初申告において適用してた特例制度の要件を満たしていなかった場合や、計算誤りにより、納税額が少なくなっていた際には修正申告書を提出することになります。

 

更正の請求は税金の過大に納めていた場合に申告内容の変更を依頼する方法

更正の請求とは、当初申告していた内容で、税金を過大に納めていた場合に行う手続きです。
税金を追加で支払う場合には修正申告書、税金の還付申請を行う場合には更正の請求書を提出することになります。
注意点として、更正の請求は修正申告書と異なり、更正の請求書を提出し、税務署が請求内容を承認しないと申告内容は変更されません。

 

小規模宅地等の特例を適用する土地の選択変更が不可能なケース

小規模宅地等の特例を適用した土地の変更は、申告期限を過ぎてから行うことは基本的にできません。
したがって当初申告書を提出する時点で、適用する土地選びには気をつけましょう。

 

適用要件を満たしている場合には選択変更できない

小規模宅地等の特例の適用要件をすべて満たし、適正に申告書を提出していた場合には、適用物件を変えることはできません。
更正の請求は、当初申告内容に誤りがあり、その誤りを正すことで納税額が減少する際に適用できる制度です。
小規模宅地等の特例要件を満たしている場合、申告した内容に誤りはありませんので、特例適用物件の変更は認められません。

 

当初申告において小規模宅地等の特例を適用しなかったケース

特例制度を利用するかどうかは、申告する人の判断ですので、小規模宅地等の特例を適用する場合、相続人が特例適用の意思表示をする必要があります。
当初申告において、小規模宅地等の特例を適用していなかった場合には、特例を適用しない選択したとみなされます。
特例適用の有無は申告する人の自由ですので、特例を適用しない選択をしたことは、申告誤りとは認められないため、更正の請求の対象外です。
ただ後述しますケースにおいては、特例を適用しないで当初申告書を提出した場合でも、所定の要件を満たした際は、申告期限を過ぎた後でも特例を適用できます。

 

小規模宅地等の特例を適用する土地の選択変更が可能なケース

特例適用物件の変更できないケースを説明しましたので、次に特例を適用する土地を変更できるケースについてご説明します。

 

相続税の申告期限内なら適用物件の変更は可能

小規模宅地等の特例を適用する土地の選択変更は、申告期限までの期間に相続税の申告書を再提出(訂正申告)する場合には可能です。
ただ訂正申告書は、最初に提出した申告書の内容を上書きしますので、当初申告と同じように申告書を一から作成し、提出することになります。

 

遺産分割協議成立により特例要件を満たした場合には後からでも適用可能

小規模宅地等の特例は、申告期限までに対象物件を相続する人が決まっていることも要件です。
そのため相続税の申告期限までに遺産分割協議が成立していないと、特例は適用できません。
しかし特例を適用しないで相続税の申告書を期限内に提出する際、「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付した場合には、遺産分割協議成立した後に小規模宅地等の特例を適用することが可能です。
なお特例を適用することで相続税が還付される場合には、更正の請求書を提出し、相続税の納税額が増える場合には修正申告書を提出します。

 

特例適用を選択した土地が要件を満たしていなかった場合には変更可能

小規模宅地等の特例を適用した土地が、特例の要件を満たしていなかった場合、申告期限を過ぎてからでも、適用する土地を変更することが可能です。
ただ選択変更する土地が、小規模宅地等の特例の要件を満たしていることは前提となりますので、ご注意ください。
また適用する土地を変更することで、納税額が増える場合には修正申告書を提出し、減少する場合には更正の請求書を提出します。

 

小規模宅地等の特例を適用する際に注意すべきポイント

ご説明してきました通り、相続税の申告書を提出した後に、小規模宅地等の特例の選択変更をするのは難しいです。
そのため当初申告から最も節税効果の高い土地に対し、特例を適用するのがポイントです。

 

減額割合と限度面積の大きい制度から特例を適用する

小規模宅地等の特例は種類があり、適用する制度によって減額割合や限度面積が異なります。

<小規模宅地等の特例の種類>

  • 特定居住用宅地等
  • 特定事業用宅地等
  • 特定同族会社事業用宅地等
  • 貸付事業用宅地等

 

また貸付事業用宅地等の制度を利用するかどうかで、限度面積の計算方法が変わりますので、注意してください。

 

<貸付事業用宅地等を適用しない場合>

特例の適用を選択する宅地等 限度面積の計算式
①特定居住用宅地等

②特定事業用宅地等

③特定同族会社事業用宅地等

①≦330㎡

(②+③)≦400㎡

両方を選択する場合は、合計730㎡が上限

 

<貸付事業用宅地等を適用する場合>

特例の適用を選択する宅地等 限度面積の計算式
①特定居住用宅地等

②特定事業用宅地等

③特定同族会社事業用宅地等

④貸付事業用宅地等

①×200/330 +(②+③)×200/400+④≦200㎡

 

貸付事業用宅地等はアパートの敷地や貸付駐車場など、特例を適用しやすい制度ですが、限度面積や減額割合は他の制度よりも低いです。
したがって小規模宅地等の特例の適用要件を満たしいてる土地が複数ある場合、貸付事業用宅地等以外の制度から適用する方が、節税効果を期待できます。

 

1㎡あたりの単価の高い土地から特例を適用する

同じ特例を適用できる土地が複数ある場合、1㎡あたりの単価が高い土地から適用した方が減額できる金額は大きくなります。
また隣同士の土地でも、貸付用など用途が異なれば相続税評価額に差が生じるケースもあります。
そのため1㎡あたりの単価を比べる際は、時価ではなく相続税評価額で判断してください。

 

小規模宅地等の特例を選択変更する際の可否判定についてのまとめ

小規模宅地等の特例を適用する土地の選択変更は、相続税の申告期限前までなら自由に行えます。
しかし申告期限を過ぎると、選択変更は難しくなりますので、当初申告の時点から的確に特例を適用する必要があります。
なお相続税の特例制度は、小規模宅地等の特例以外にもありますが、いずれの制度も期限内申告時に適用する意思表示するのが原則です。

申告期限を過ぎると適用できなくなる特例もありますので、適用要件や利用できる特例を知りたい方は、ビジョン税理士法人にお尋ねください。