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小規模宅地等の特例の特定居住用
「同居」の要件とは?

小規模宅地等「同居」の要件は?

相続税の小規模宅地等の特例は節税効果が高く、その中で「特定居住用宅地等」被相続人(亡くなった人)が住んでいた土地に対して適用できる制度です。

特定居住用宅地等の特例要件の一つに「同居」があるのですが、同居の定義について法律には明記されていません。

そのため特定居住用宅地等の同居要件と、特例適用時の注意点についてご説明します。

 

特定居住用宅地等で「同居」が要件になるケース

特定居住用宅地等は、特例を受ける相続人によって適用要件が異なります。

また被相続人との同居が要件となるケースと、ならないケースがありますのでご注意ください。

 

特定居住用宅地等が適用できる相続人

特定居住用宅地等が適用できるパターンは3種類あります。

  • 配偶者
  • 同居親族
  • 家なき子

 

3種類のうち、被相続人との同居が要件となるのは、同居親族が特例適用をする場合のみです。

一方、配偶者や家なき子が特定居住用宅地等を適用する際には、被相続人との同居は要件にはなりません。

 

被相続人の同居親族がいる場合は別居親族の特例適用は不可

被相続人と一緒に住んでいる親族がいた場合、特定居住用宅地等の特例が適用できるのは配偶者を除く同居親族のみです。

そのため被相続人が親族と同居している状態で、別居している親族が対象物件を相続しても、特定居住用宅地等は適用できません。

また家なき子が特例適用する場合には、被相続人の配偶者が別居していても特例は適用できませんのでご注意ください。

 

配偶者は相続するだけで特例を適用できる

配偶者が特定居住用宅地等を適用する場合には、被相続人の自宅の土地を相続するだけで特例適用が可能です。

配偶者には、被相続人との同居要件がないため、別居状態や他の親族が被相続人と同居していても特例が適用できます。

 

 

特定居住用宅地等の特例要件である「同居親族」とは

社会一般的な「同居」とは、一緒に住んでいることを意味しますが、特定居住用宅地等を適用する場合には、4つのポイントから「同居」を判断します。

 

<特例適用する際の同居判定ポイント>

  • 日常生活の状況
  • 入居目的
  • 家の構造や設備の状況
  • 対象物件以外の生活拠点の有無

 

被相続人と生活を共にしていたか

生活スタイルは各家庭によって様々ですが、被相続人と寝食を共にしていた場合には同居とみなされます。

そのため被相続人と一緒に生活している親族は、同居親族に該当します。

 

被相続人と生活するために同居を開始していないか

特定居住用宅地等は、330㎡までの土地の相続税評価額が8割減額になる特例です。

そのため特定居住用宅地等を適用するだめだけに、同居するケースもあります。

しかし税務署は特例適用のためだけの同居は、基本的に同居とはみなしません。

たとえば住民票だけを移し、実際には生活を共にしていない場合や、被相続人が亡くなる数日前に同居を始めたケースなどが該当します。

 

居住スペースが完全区分されている場合には同居とはみなされない

被相続人と同じ建物に住んでいる場合でも、住んでいる場所が完全に独立している場合には、同居とみなされない場合があります。

独立している建物とは、一つの建物でもマンションのように部屋単体で生活機能が完備され、区分登記ができるケースです。

ただ建物の登記名義や被相続人との生活状況によっては、同居親族とみなされる場合もあり、個別に適否判定が必要となります。

 

対象物件以外の生活拠点の有無

被相続人と一緒に生活をしていても、別に住む場所が存在し、そちらを生活の拠点としている場合には同居とはみなされません。

たとえば平日は自分の持ち家で寝起きし、休日は被相続人が住む場所で生活する場合などが該当します。

 

なお二つの拠点を同程度利用している場合でも、生活の拠点は一つしか認められません。

そのため過ごしている時間や、家族の生活拠点なども生活の拠点の判断要素となります。

 

【ケース別】特定居住用宅地等の同居親族の適否判定

次に特定居住用宅地等の「同居親族」に該当するか否かを、ケースごとに判断します。

 

被相続人と特例適用対象者が寝食を共にしていた場合

被相続人と一緒に生活している場合には、特例適用可能です。

 

特定居住用宅地等を適用するための一時的な同居

一時的に被相続人と一緒に住んでいるだけでは同居とはみなされませんので、特例は適用できません。

 

二世代住宅に居住していた場合

同じ建物に住んでいる場合には、特例適用の対象です。

ただ1棟の建物で玄関が別々に設置してあったり、区分登記が可能な物件に別々に住んでいる場合には、特例が適用できない可能性があります。

 

相続人の生活拠点が2か所以上存在する場合

特例を適用する相続人の生活拠点が2か所以上ある場合には、主として利用していた場所が生活拠点とみなされます。

そのため被相続人の自宅が主たる生活拠点ではない場合には、特例は適用できません。

 

相続開始時点において単身赴任により一時的に同居していない場合

単身赴任など一時的な別居の場合、単身赴任が完了したした際に戻る場所が被相続人の自宅であれば、特例は適用できます。

 

税務署はどのくらいまで「同居」事実を調べるのか

税務署は提出された申告書の内容から、特例適用の可否判定を行いますが、必要であれば税務調査により実態を調べます。

 

税務署は表面上の同居ではなく実態で判断する

小規模宅地等の特例を適用する場合、適用するための要件が備わっているか税務署は確認します。

たとえば住民票上は同居していても、実際に同居していた形跡がなければ、税務署は同居していたとみなしません。

逆に諸事情により住民票は別々であっても、実態として同居していることが証明できれば、特例が適用できるケースもあります。

 

被相続人や相続人の自宅の水道光熱費も調べる

税務署が同居の実態を調べる手段の一つに、水道光熱費調査があります。

一人暮らしと家族暮らしでは、水道光熱費の金額は異なるため、水道光熱費が少ない場合には、同居していない疑いを持ちます。

一方で住民票が別々であっても、水道光熱費など証拠となる書類を申告書に添付すれば、特例を適用することも可能です。

 

特例を適用する場合には税務署に説明できるかがポイント

税務調査を受けないためには、相続税の申告書に添付する書類も重要です。

税務署は申告書の内容で不明点があれば調べますし、相続人に確認が必要であれば税務調査を行います。

 

そのため、もし税務調査を受けた場合には、税務署からの質問に対して回答できる準備が必要です。

また相続税の申告書に特例適用の経緯や、水道光熱費などの参考資料を添付すれば、税務署は調べる必要性がありませんので、税務調査のリスクが下がります。

小規模宅地等の特例は、節税効果の高い制度です。

確実に適用するためには、相続税専門の税理士に相談し、可否判定を行ってください。