0120-998-707 無料面談申込み

図解でわかりやすい!
奥行長大補正率・間口狭小補正率・がけ地補正率とは

図解でわかりやすい!奥行長大補正率 間口狭小補正率 がけ地補正率 とは

宅地の中には、その形状から、使い勝手の悪いものがあります。

たとえば、奥行の遠い縦長の土地、道路からの入り口が狭い土地、斜面がある土地などです。

こうした使い勝手の悪い土地は、その分、評価額も減らすことができます。

その減額の計算に使用するのが、

  • 奥行長大補正率
  • 間口狭小補正率
  • がけ地補正率

といった補正率です。

普段使うことのない言葉の連続でウンザリしてしまいそうなのですが、相続税を節税するために、とても大事な補正率です。

今回は、こうした補正率がどういった宅地に使えるのか、わかりやすい計算例を交えながら解説していきます。

 

宅地の基本的な計算式

まず、宅地を相続したときの評価額の計算方法を、シンプルに表すと次のようになります。

宅地の評価方法は、路線価(円)×奥行補正率×地積(㎡)

「路線価」とは、道路に付けられた価格のことで、その道路に接する1㎡あたりの土地の価格を表しています。

路線価がない地域では、倍率方式という方法を使って評価します。

 

奥行長大補正率とは

奥行長大(おくゆきちょうだい)補正率とは、間口の広さの割に、奥行が長すぎる宅地の評価額を減らすための補正率です。

間口の広さとは、土地と道路が接している距離のことで、これを「間口距離」といいます。

次の図のように、道路から見て縦長の宅地が、奥行長大補正率による減額の対象になります。

道路から見て縦長の宅地が、奥行長大補正率による減額の対象

奥行長大補正率は、奥行までの距離が間口距離の何倍に相当するかということと、その宅地が所在する地区区分によって、0.90~1.00の範囲で設定されています。

もし補正率が0.90であれば、1割の評価額を減らせるということです。

 

【奥行長大補正率表】

 

奥行距離
/間口距離
地区区分
ビル街地区 高度商業地区、繁華街地区、普通商業・併用住宅地区 普通住宅地区 中小工場地区 大工場地区
2以上3未満 1.00 1.00 0.98 1.00 1.00
3以上4未満 0.99 0.96 0.99
4以上5未満 0.98 0.94 0.98
5以上6未満 0.96 0.92 0.96
6以上7未満 0.94 0.90 0.94
7以上8未満 0.92 0.92
8以上 0.90 0.90

 

奥行長大補正率によって減額されやすいのは、普通住宅地区にある宅地です。

奥行までの距離が間口距離の2倍であれば減額の対象になります。

ビル街地区や大工場地区の宅地は、この補正率の影響を受けません。

 

奥行距離
/間口距離
地区区分
2倍 普通住宅地区
3倍 高度商業地区、繁華街地区、普通商業・併用住宅地区、中小工業地区

 

地区区分は、路線価図で確認することができます。

 

奥行長大補正率の計算例

先ほどの例は、普通住宅地区で、奥行距離/間口距離が2になるため、奥行長大補正率は、0.98です。

計算式は次のようになります。

 

【計算式】

路線価10万円×奥行価格補正率1.00×奥行長大補正率0.98×地積200㎡=1,960万円

 

奥行価格補正率との違いに注意

よく似た名前の補正率に「奥行価格補正率」というものがあります。

「奥行価格補正率」とは、道路から奥行の距離が短すぎたり、長すぎたりする宅地を減額するための補正率です。

「奥行長大補正率」の場合、奥行の距離が間口距離の何倍であるかが減額の要件になりますが、奥行価格補正率はそうではないため、正方形の土地でも補正がかかることがあります。

 

間口狭小補正率とは

間口狭小(まぐちきょうしょう)補正率とは、間口が狭い宅地の評価額を下げるための補正率です。

同じ面積の宅地でも、間口の広い宅地の方が使い勝手がよいことは、想像しやすいと思います。

間口狭小補正率は、間口距離と、その宅地が所在する地区区分によって、0.80~1.00の範囲で設定されています。

 

【間口狭小補正率】

間口距離
(m)
地区区分
ビル街地区 高度商業地区 繁華街地区 普通商業・併用住宅地区 普通住宅地区 中小工場地区 大工場地区
 4未満 0.85 0.90 0.90 0.90 0.80 0.80
 4以上6未満 0.94 1.00 0.97 0.94 0.85 0.85
 6 以上8 未満 0.97 1.00 0.97 0.90 0.90
 8 以上10未満 0.95 1.00 1.00 0.95 0.95
 10 以上16 未満 0.97 1.00 0.97
 16以上22 未満 0.98 0.98
 22以上28未満 0.99 0.99
 28以上 1.00 1.00

 

普通住宅地区は、8m未満から減額対象になります。

 

間口狭小補正率の計算例

それでは、具体例で間口狭小補正率を使ってみましょう。

間口距離は5m、宅地が所在するのは普通住宅地区ですので、この場合の間口狭小補正率は0.94です。

間口距離は5m、宅地が所在するのは普通住宅地区ですので、この場合の間口狭小補正率は0.94です。

さらに、奥行長大補正率もかかりますので、計算式は次のようになります。

 

【計算式】

路線価10万円 × 奥行価格補正率1.00 × 間口狭小補正率0.94 × 奥行長大補正率0.94 × 地積100㎡ = 883万6,000円

 

がけ地補正率とは

がけ地補正率とは、がけ地等を含む宅地を相続したときに適用される補正率のことです。

国税庁の質疑応答事例によると、がけ地補正率の対象となる宅地とは、

  • 平たん部分とがけ地部分等が一体となっている宅地
  • ヒナ段式に造成された住宅団地に見られるような、擁壁部分(人工擁壁と自然擁壁とを問いません。)を有する宅地

とされています。

自然・人工を問わない斜面が宅地内にあって、宅地としては使えないことがポイントになります。

がけ地補正率は、宅地の中でがけ地の面積が占める割合と、「がけ地の方位」(斜面の向き)で補正率が決まります。

 

【がけ地補正率表】

 

がけ地の地積
/総地積
がけ地の方位
西
0.10以上 0.96 0.95 0.94 0.93
0.20以上 0.92 0.91 0.90 0.88
0.30以上 0.88 0.87 0.86 0.83
0.40以上 0.85 0.84 0.82 0.78
0.50以上 0.82 0.81 0.78 0.73
0.60以上 0.79 0.77 0.74 0.68
0.70以上 0.76 0.74 0.70 0.63
0.80以上 0.73 0.70 0.66 0.58
0.90以上 0.70 0.65 0.60 0.53

 

がけ地補正率の計算例

それでは、がけ地補正率の計算例を見ていきましょう。

がけ地の地積は、全体の20%(30㎡/150㎡)ですので、がけ地補正率は0.88になります。

「がけ地の方位」は、斜面が向いている方角によって決まります。

この例では、斜面は北向きなので、がけ地の方位は北です。

がけ地の地積は、全体の20%(30㎡/150㎡)ですので、がけ地補正率は0.88になります。

 

【計算式】

路線価10万円 × 奥行価格補正率1.00 × がけ地補正率0.88 × 地積150㎡ = 1,320万円

 

がけ地の方向が2つ以上ある場合

もし1つの宅地の中に2方向以上のがけ地がある場合、がけ地補正率は次のように計算します。

【例】

  • 総地積 500㎡
  • ・がけ地(北向き50㎡、西向き50㎡)
  • ・普通住宅地区

 

【計算式】

まず、がけ地の割合を計算して、それぞれのがけ地補正率を求めます。

(50㎡+50㎡)/500㎡=20%

北向き…0.88

西向き…0.90

それぞれのがけ地補正率を、がけ地の総地積で加重平均します。

(0.88×50㎡+0.90×50㎡)/100㎡=0.89

なお、がけ地の向きが東南などの場合は、東と南の補正率の平均としてよいとされています。

 

土砂災害特別警戒区域での特例に注意

土砂災害特別警戒区域とは、土砂災害のおそれがある区域のうち、建築物に損壊が生じ、住民等の生命または身体に著しい危険が生じるおそれのある区域として、都道府県から指定を受けている区域です。

この区域にある宅地は、「特別警戒区域補正率」という別の補正率が適用されるのですが、当該区域内にがけ地もある場合は、その補正率をがけ地補正率で調整します。

 

まとめ

奥行長大補正率、間口狭小補正率、がけ地補正率について解説しました。

適用できる補正率は正しく使い、誤った評価で損をしてしまうことのないようにしましょう。

 

各補正率などは、執筆当時のものを適用しています。

補正率は、国税庁のホームページ等で最新のものをご確認ください。

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka/02/07.htm