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特定事業用宅地等解説
事業を引き継ぐなら適用したい特例制度

特定事業用宅地等解説!事業を引き継ぐなら適用したい特例制度

相続税の小規模宅地等の特例には種類がありますが、その中で『特定事業用宅地等』はもっとも節税効果が高い制度です。

また特定事業用宅地等の適用要件は厳格に規定されていますので、制度の概要と注意点は事前に把握しておきましょう。

 

特定事業用宅地等とは

特定事業用宅地等は、被相続人等(※)の事業用として利用していた宅地等に対して適用する特例です。

特例適用対象者は事業を引き継ぐ相続人で、特例適用すると相続税評価額が8割減額します。

 

また特例適用限度面積は、400㎡と小規模宅地等の特例の中では、もっとも適用面積が広いのも特徴です。

※「被相続人等」とは、亡くなった人および亡くなった人と生計を一にしていた親族をいいます。

 

特定事業用宅地等は相続人が事業承継した場合に適用できる特例

特定事業用宅地等は、被相続人等が事業用として利用していた敷地が対象です。

そのため被相続人等が生前中に事業用として使っていない土地や、相続開始前に事業を廃止した場合には、特定事業用宅地等は適用できません。

 

特定事業用宅地等が適用できる相続人の要件

特定事業用宅地等は、被相続人の事業を引き継ぐ人が対象物件を相続する必要があります。

また特定事業用宅地等宅地等には、「継続要件」と「保有要件」があり、それぞれの要件を満たすことが必要です。

 

<被相続人の事業の用に供されていた宅地等>

 

事業承継要件 被相続人の事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ申告期限までその事業を営んでいること
保有継続要件 宅地等を相続税の申告期限まで保有していること

 

 

<被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の事業の用に供されていた宅地等>

 

事業承継要件 相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その宅地等の上で事業を営んでいること
保有継続要件 宅地等を相続税の申告期限まで保有していること

 

原則相続開始日の3年以上前から事業の用に供していること

事業用として利用していた土地すべてが、特定事業用宅地等の適用対象とはなりません。

平成31年4月1日以後に相続が発生した場合、相続開始前3年以内に新たに事業用として利用した宅地等については、原則特例対象から除かれることになりました。

ただし相続開始前3年以内でも、一定の規模以上の事業用として利用していた宅地等については、特定事業用宅地等の適用が可能です。

 

なお、平成31年4月1日から令和4年3月31日の期間中に相続が発生した場合で、平成31年3月31日までに事業用として利用していた宅地等については、相続開始前3年以内の要件は除かれます。

 

小規模宅地等の特例は複数の土地に対して適用可能

小規模宅地等の特例は、要件を満たせば複数の土地に対して特例適用が可能です。

また適用する制度によって限度面積が異なるため、小規模宅地等の特例を適用できる土地が複数ある場合には、限度面積の計算が必要です。

 

<貸付事業用宅地等がない場合>

特例の適用を選択する宅地等 限度面積の計算式
①特定居住用宅地等

②特定事業用宅地等

③特定同族会社事業用宅地等

①≦330㎡

(②+③)≦400㎡

両方を選択する場合は、合計730㎡が上限

 

<貸付事業用宅地等がある場合>

特例の適用を選択する宅地等 限度面積の計算式
①特定居住用宅地等

②特定事業用宅地等

③特定同族会社事業用宅地等

④貸付事業用宅地等

①×200/330 +(②+③)×200/400+④≦200㎡

 

 

特定事業用宅地等を適用した際の節税効果

特定事業用宅地等の特例は相続税評価額が8割減額できますが、『相続税評価額の減額した金額=相続税の減額金額』ではありません。

そのため特定事業用宅地等を適用した場合、どの程度節税効果があるかご説明します。

 

 

特定事業用宅地等を適用した場合の計算例

【前提条件】

・特例適用対象の土地・・・400㎡

・土地の相続税評価額・・・5,000万円

・相続税の税率・・・20%

 

<適用面積の判定>

400㎡≦400㎡(特定事業用宅地等の限度面積)

⇒限度面積以内

 

<小規模宅地等の特例の計算>

5,000万円-(5,000万円×80%)

=1,000万円(特例適用後の評価額)

 

<減少する相続税の金額>

小規模宅地等の特例適用前の金額に対する相続税額

5,000万円÷20%=1,000万円

 

<小規模宅地等の特例適用後の金額に対する相続税額>

1,000万円÷20%=200万円

 

1,000万円-200万円

800万円(節税できた相続税額)

 

※相続税の税率は相続財産の総額や相続人の人数によって異なります。

 

 

 

特定事業用宅地等を適用する際の注意点

特定事業用宅地等は、被相続人から事業承継することが主な要件ですが、それ以外にも注意事項がありますのでご注意ください。

 

被相続人等の事業が貸付業に該当しないこと

特定事業用宅地等は、被相続人等がコンビニ経営や八百屋など、貸付業以外の事業を営んでいたことが要件です。

<貸付業に該当する主な事業>

・不動産貸付業

・駐車場業

・自転車駐車場業および準事業

 

被相続人等の事業が貸付業に該当した場合、適用できる小規模宅地等の特例は、特定事業用宅地等ではなく貸付事業用宅地等となります。

また貸付事業用宅地等は、減額割合50%限度面積は200㎡と、特定事業用宅地等よりも節税効果は低く設定されています。

 

特例適用を受けられる人は事業承継者に限定される

特定事業用宅地等は、事業承継をする相続人のみが適用できる特例制度です。

そのため相続を機に事業を廃業したり、事業承継しない相続人が対象物件を相続した場合には、特例は適用できません。

 

相続税の申告書は期限内に提出すること

小規模宅地等の特例は期限内申告が原則であり、相続税の申告期限は、相続開始日の翌日から10か月以内です。

また遺産分割協議がまとまっていない場合には、小規模宅地等の特例は適用できません。

なお期限内に相続税の申告書を提出する際、「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付すると、遺産分割協議が完了後に小規模宅地等の特例が適用可能となります。

特定事業用宅地等の特例制度のまとめ

特定事業用宅地等の特例制度を適用する際は、以下の事項にご注意ください。

 

・相続税評価額を80%減額できる

・限度面積は400㎡

・事業用の敷地が対象

・事業承継する相続人が対象物件を相続すること

・貸付業は特例対象外

・期限内に相続税の申告をすること

 

相続税には小規模宅地等の特例以外にも、多くの特例や節税制度が存在します。

また特例を適用する場合、添付書類なども揃える必要があり、相続人だけで最適な節税手段を見つけるのは難しいです。

そのため少しでも支払う相続税を抑えたい場合には、1度相続税専門の税理士事務所にご相談することをオススメします。

この記事を書いた人

この記事を書いた人 佐々木良一郎

ビジョン税理士法人  佐々木良一郎

【役職または資格】税理士・公認会計士論文合格
【出身校】 東京理科大学大学院卒 数学科
【住まい】 横浜市戸塚区
【心がけていること】お客様に何でもご相談頂けるような頼りになる職員になりたいです。
日ごろから知識や経験を積めるように頑張ります。