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相続税における納税資金

日本の資産家は、以前から土地・自宅・自社株など現金以外の財産が主体であり、現金が少ないのが特徴でした。
そのため、いったん相続が発生すると、納税資金に困窮するというのがごく一般的です。

そこで、ある程度相続税がかかる人は、納税資金の検討をする必要があります。
つまり、相続税を試算した上で、相続税がかかる場合においても、納税資金が現預金で用意可能であり、さらに相続税を納税した後の余剰資産で残された遺族が問題なく生活出来るのであれば、相続対策はさほど必要はありません。

ただし、相続税は原則、現金で納付が必要なために、もし現預金が足りない場合には残された相続人自身の預貯金等の資産から納税する必要があります。
それでも不足する場合にのみ、一定の条件のもとに延納・物納が認められています。

相続税の納付期限は、申告書の提出期限と同じ日で、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うことになっています。
例えば、12月5日に死亡した場合にはその翌年の10月5日が申告・納付期限になります。

なお、納税が遅れた際には延滞税が課税されます。
税金は金銭で一度に納めるのが原則ですが、例外的な方法として金銭での一括納付が困難な際には、一定条件の元に延納、または物納という方法が御座います。

なお、この延納、物納を希望する方は、申告書の提出期限までに税務署に申請書などを提出して許可を受ける必要があります。

  • 原則:金銭による一括納付
  • 例外:延納、物納

不動産売却による納税資金の確保

所有している不動産が多いが、納税資金になるような預貯金等の金融資産が少ない場合には、相続税における納税資金を確保するために、被相続人から相続した土地・建物等の不動産を売却するという方法が考えられます。
相続税における納税資金を確保のために不動産売却による方法の場合、相続税評価額より高い値段で売却できることも御座いますが、不動産会社への仲介手数料や譲渡に伴う譲渡所得税が発生します。

但し、相続した土地を相続税の申告期限から3年以内に売却した場合には、相続税のうち一定額について、譲渡所得税を軽減することができる、取得費加算の特例という制度があります。
この取得費加算の特例は、相続により取得した土地、建物、株式などを、一定期間内に譲渡した場合には相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができるというものです。

「取得費」に加算できる金額=相続税額 × (相続した土地-物納した土地) ÷ 相続税の課税価格

生命保険を活用した納税資金

納税資金としての面からみて、相続では、不動産等の換金しにくい財産がよく含まれます。
しかも、財産としての評価額が高く、多額の相続税の納付を強いられるケースがあります。

そこで、生命保険は、あらかじめ計画的に加入しておくと節税・納税資金の面から、有効に資産を相続人へ残すことができる商品です。
保険金を受け取ることが出来れば、相続税の支払に充当できます。
ただし、配偶者である妻が受け取った生命保険金で子供が負担すべき相続税を払うと贈与となります。
ある程度の財産を保有している方は、前もって相続の対象財産を調べ、どの程度の相続税がかかるか把握を行い、現金でもらえる保険金額や受取人を決める事が大切となります。

生命保険の非課税枠の活用

夫が死亡し、妻と子が残されたケースにおいて、夫が加入した保険の保険料を支払い、受取人が妻・子になっていれば、相続税の支払いに使えます。
もし、契約者・受取人の名義が相続税対応になっていなければ、保険会社に確認をして下さい。
また、死亡保険金について「500万円×法定相続人数」につき非課税ですが、この法定相続人の数は、未成年者・障害者・相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者に限定されます。

すなわち、現在法定相続人一人当たり500万円の非課税が認められている死亡保険金については

法定相続人のうち、

死亡保険金を相続する場合の非課税限度額

「500万円×法定相続人の数」

  1. 未成年者
  2. 障害者
  3. 被相続人と生計が同一

のいずれかに該当する者についてのみ認められます。

すわなち、平成23年の相続税改正において、相続人の条件が厳しくなり、未成年者か障害者、あるいは生計を一にしている者に限られ、生計が別では対象外です。

保険金を相続財産にしない方法

生命保険の非課税枠を超える保険に加入する場合には、保険金を相続財産にしない契約形態のほうが有利の場合もあります。
つまり、父(親)を被保険者として、子が契約者かつ受取人となって加入する方法です。

こうすることにより、子が受け取る保険金は子自身の一時所得(所得税・住民税の課税対象)となり、相続財産には組み込まれません。この場合、生命保険非課税枠の適用はありませんが、課税させる一時所得の金額はかなり軽減されます。

  • 契約者(保険料負担者) ・・・・ 子
  • 被保険者       ・・・・ 父(親)
  • 受取人        ・・・・ 子

相続財産を残すための生命保険

現在所有する財産からは相続税を払いたくない場合の相続税納付の財源として、生命保険の活用方法について検討します。
例えば、相続人は配偶者と子二人の計三人で、相続財産2億円の場合について考えます。

配偶者は半分の1億円の財産を相続して、相続税は特例によりゼロとなります。
残りの半分1億円を相続する子二人が支払う相続税は2000万(仮)であったとします。
そこで、相続税の納税財源として契約者と被保険者を父(親)、受取人を二人の子である生命保険に加入するとします。

  • 契約者(保険料負担者)  ・・・・ 父(親)
  • 被保険者        ・・・・ 父(親)
  • 受取人         ・・・・ 子ども二人

2億円の相続財産にかかる相続税2000万円の納税財源として、いくらの保険金が必要かについて考えると、生命保険の非課税枠を用いて一定額を控除して、そこに非課税枠を超えた金額については死亡保険金という相続財産が増えるため、相続税の納税額はプラスα増加します。

よって、死亡保険金という相続財産が増えた分の納税額についても上乗せして死亡保険金を見積もる必要が御座います。

生前贈与による納税資金の確保

相続人が多い場合において、贈与を活用すると節税対策になることがあります。
親から子・孫に、贈与税の基礎控除110万円にこだわらず贈与の節税分岐点を考慮しながら毎年、例えば最低税率(10%)の310万円までの金額は贈与する方法です。

保険料相当額の資金を贈与し、その贈与された金銭にて、契約者と受取人は子、被保険者を親として生命保険に加入した生命保険契約の保険金に充当すれば、贈与を有効に活用できます。
この方法は相続税の節税対策並びに納税資金の確保としても有効です。

  • 契約者(保険料負担者) ・・・・ 子
  • 被保険者       ・・・・ 父(親)
  • 受取人        ・・・・ 子

父(親)を被保険者とした生命保険では、被保険者の死亡によって子供に支払われる生命保険金は相続税の対象とはならず、所得税・住民税の対象となり、かつ一時所得の扱いとなるため、比較的安い税負担で済みます。

このように、子どもが親に保険を掛ける場合には将来必ず保険金を受け取り、それを納税資金にあてるため、保険の種類は終身保険が最適です。

  • 受取保険金が相続財産にならない
  • 保険料の贈与により相続財産が減少する
  • 一時所得の課税金額はかなり減額されるため、相続税の課税対象とするより有利な場合もある

なお、保険料の贈与を後々税務署から認めてもらうには、「保険料の支払いは親から子へ贈与があった」という証明が必要です。
その際に、「贈与契約書」や「贈与税の申告書」など贈与の事実を証明する必要が御座いますので、細心の注意が必要です。