事務所通信2号【付録】ブックレビュー「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方ー森岡 毅 著]

何が『劇的に変わった』の?

ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)が紛れもなく東京ディズニーリゾート(TDR)と
並ぶ人気巨大テーマパークとなって久しく、一体何が劇的に変わったのか?
と思う方もいるかもしれません。
・開業翌年の食品賞味期限の偽装問題
・工事ミスによる、工業用水の流れ込み
という、不祥事を覚えてはいませんか?
開園の年こそ華々しく1100万人の来場数を集客しましたが、
年には700万人に落ち込み、3年後あっという間に経営破綻。
しかし、森岡毅氏がUSJに入るやいなや、今や年100万人の来場者数増加、
映画ハリーポッターのアトラクションが満を持しての大成功で、
開園の年の来場者数を超え、その後もその数は伸びています。
そこには、本書の著者であり、凄腕マーケッターである森岡毅氏の活躍があったのです。
本書では、マーケティングを切り口にいかにお客様満足を向上させていくかを解説しています。
マーケティングの視点が皆様が思うよりもずっと会社全体に影響を及ぼしていることが分かるでしょう。
社長である皆様も、日々どうやってお客様満足、ひいては売上を伸ばすか頭を悩ませているかと思います。

本書に書かれている森岡氏による珠玉のビジネスフレーズ

「どう戦うかの前にどこで戦うか」

自社の商品については誰もが神経をすり減らして、より良いものをと考えているでしょう。
その前に、
ターゲットとする消費者は誰か
本当に欲しているものは?
という点を深く深く見極めるのです。

「誰に売るのか?」

限られたリソースを消費者全員に投下すれば一人あたりの経営資源は薄くなるので、
誰に売るのかというターゲットを決定します。

「値下げをして売上個数を伸ばすことは誰にでもできる」

値上げをしながら、個数を伸ばす。森岡氏はこの点に着眼し、投資と改善を加え続けました。

「良いものを作れば売れる時代ではなく、売れたものが良いもの、の時代」

企業が生き残っていくためには、技術力とマーケティング力の両方が重要です。
日本の企業は技術はあるので、技術を活かすマーケティングを強化すべきなのです。

消費者視点に対する執念

消費者の方を向いて動く、当然のことではありながら難しいことです。
執念とも言える、森岡氏の消費者視点への姿勢は、学ぶものが多くあります。
本書で紹介されている、有名な格言があります。
『消費者が欲しいのは、1/4インチ穴用のドリルではなく、1/4インチの穴』
その消費者は確かにドリルを欲しがっているけれど、本当に欲しているのは(ドリルであけた)穴。
売り手が売っているものは突き詰めると一体何なのか、鋭い洞察といえます。
消費者の根源的な価値に、自社の商品を落とし込むことが重要ということです。
私たちが提供するもの(商品)は、あなたの会社の成長です。
よりよいサービスを提供する為に、是非ぜひ、ご一読して頂き、新たな視点を見つけて頂ければと思います。

実際に行って来ました、USJ!

とても読みやすいこの著書、内容を体感すべく(という口実で)USJに行って来ました!
人気アトラクションに並ばずに乗れるチケットが、とにかく高額。
はたして、森岡氏の狙い通りとなるか否か?!
おさらいしますと、森岡氏の狙いは以下でした。
・既存ターゲットの映画ファン以外に、ファミリー層をターゲットとする(ファミリー受けするエリアを増やす)
・高額なアトラクション優先乗車チケットで客単価をアップ
・また来たい!と思わせリピーター獲得
我が家は、森岡氏がターゲットとして定めたファミリー層にぴったり該当します。
普段はアウトドア遊びが主で、人込みや長時間並ぶことに耐性は低いです。
しかし当日(真夏の炎天下)の様子は…
・ジェットコースター系に乗れる小学生の長男も、身長制限にひっかかる末っ子も朝から夜まで大はしゃぎ
・末っ子に付き合う私は、「絶対いつかまた来て、ジュラシックパークライド乗る!」と決意
と、文字通り森岡氏の狙い通りとなりました。
一大テーマパークの人気の裏にある、一人のマーケターの想いを間近に感じられる一日でした。
是非一度、手に取って読んでみてください。
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